ある朝右京と亘は青木から、認知科学で有名な宇佐美という大学教授が呪い殺されたという噂を聞かされます。興味を抱いた右京は早速調べに行きます。
大学を訪れた二人は呪いをかけた当人と疑われる助教の川村から話を聞きました。そこへ現れた准教授の猪瀬と高野にこれは捜査かと尋ねられた亘は、教授の死因に事件性はないと答えます。その時、川村の顔には微笑みが浮かびます。
右京達は川村が接触したという霊能力者に会いに行きます。そして猪瀬からその霊能者のやり方が霊能力ではなく、コールドリーディングとバーナム効果だと教えられます。
二人は宇佐美教授の死亡現場を調べ、宇佐美が死ぬ前にコーヒーを買っていたこととそのカップがなくなっていることに気が付きます。
大学ではアズリチンという劇物が盗難されていたことが分かりました。薬品保管庫の鍵がかけ忘れられた時、近くには川村がいました。
解剖の結果、宇佐美の遺体からはアズリチンが検出されます。
川村は死亡時間のアリバイを主張し、右京はその裏を取りに行きます。確かにその時川村は別の場所にいました。
聞き込みによって、川村が高野の助手を辞めたいと猪瀬に訴えていたことが分かります。
高野を訪ねた右京達は、宇佐美の実験に協力していたという天才少女親子とすれ違います。宇佐美は天才、猪瀬はオカルト、高野は共感をテーマに研究をしていました。
認知科学の本を読んでいた右京はあることに気付き、過去の天才少女の家を訪ねたます。少女は既に自殺していました。元々不安定な所に研究もストレスの一つとなったことが原因で、大学側も何度も謝罪に来ていたそうです。
右京と亘は大学構内のカメラを調べ、高野が宇佐美のコーヒーカップをゴミ箱に捨てている映像を入手します。四年前の被験者を見殺しにしてしまったことを後悔した高野は、現在の被験者の少女を救う為に宇佐美を殺したのです。研究の為なら少女の命を何とも思っていない宇佐美を高野は憎んでいました。
宇佐美の死に事件性がないと聞かされた時、心の中で笑みは浮かべていたと高野は答えます。
右京は川村の下へ行き、高野が川村に誘導されて宇佐美を殺害したのだろうと言います。
川村の動機は、彼女が人の感情を自分の感情のように感じてしまうエンパスと呼ばれる人間だったからでした。高野の宇佐美への憎悪に常に晒されていた川村は、殺害が成功すればこの状態が終わると思ったのでした。川村は子供の頃からこの並外れた共感力に苦しんでいたのでした。
そして右京は最後に猪瀬の部屋を訪れ、今回の事件が川村の能力に気付いた猪瀬の壮大な実験だったと指摘します。人を実験動物のように扱った彼には研究者どころか人を名乗る資格すらない、と右京は激怒するのでした。
相棒第8話の感想
エンパスという言葉を初めて知りました。造語かと思ったら本当にある話なのですね。びっくりです。テレパシーとはまた違ったものなのでしょうか。こんな能力を持って生まれた彼女がよくここまで無事に生きてきて、ちゃんと社会で暮らしているということに感心してしまいます。今後右京さんはその頭脳でどうにか彼女のサポート的なことをしてあげてくれればいいのにと願ってしまいます。