経産省のキャリア官僚西崎が自宅で殺害されました。
第一発見者で容疑者の遠山千鶴は三年前まで西崎の部下として働いていました。しかし機密情報を漏洩した罪で逮捕されていたのです。
西崎は事件を調べ直してくれていて、その為に自分は電話で家に呼び出されたのだと千鶴は言います。
犯行を否認する千鶴の前に現れた弁護士、倉田映子。その姿を見て千鶴は怒りを露にしました。
実は映子は過去の千鶴の裁判を担当した元検事でした。
何故自分を有罪にした元検事を弁護人にしたのかと疑問を持つ右京達。
右京と亘は今は大手弁護士事務所に勤務している映子に会いに行きます。映子と話をした右京達は、どうやら映子が自分から弁護を名乗り出たようだと察します。
次に右京達は過去の事件を調べに経産省へ行き、資料を借りて特命係に帰ります。
資料の中に機密漏洩の被害を受けた会社の名前がありました。三谷という男が社長を務めるその会社は、国から突出した額の助成金を受けていました。
すると角田課長の口から、三年前にこの会社から飛び降り自殺をした人物がいたことを聞かされます。
右京達は三谷の会社を訪ねることに。
三谷は三年前の漏洩事件でダメージを受けたことを話し、社員の自殺については会社のせいではないと説明。その証拠に自殺した片桐から妹へ遺書の電話があったと言います。
右京達が片桐の妹の家に行くと、そこで映子がPCを調べていました。映子と入れ替わりに妹に話を聞く右京達。彼女は死ぬ直前の片桐から遺書めいた電話をもらっていました。
亘は映子の行動から、映子が自分の作った冤罪を隠蔽しようとしているのではないかと疑問を持ちます。
片桐が死ぬ前に千鶴に送ったメールの中に助成金に関する不正の証拠が隠されていたことが分かりました。それに気付いた三谷達が千鶴が不正を知る前に千鶴のPCを遠隔操作して機密漏洩の罪を被せたのです。
そして映子は一人で三谷とその部下に会っていました。片桐殺害の証拠を示し、自分を会社の顧問弁護士に雇うよう映子は交渉します。一旦は受け入れた三谷達でしたが、映子のレコーダーに気付いて態度が豹変。その場から逃げ出した映子の前に右京と亘が現れます。
右京は三谷に片桐の電話も西崎の電話もこの会社の音声再現技術で作られた合成音声だと突きつけます。
三年前、助成金を騙し取っていたことを片桐に気付かれた三谷達は片桐を殺害。そして今になって千鶴の件に勘付いた西崎も家を訪ねて殺害したのでした。
後日。右京達は映子に、いつから自分たちを利用しようとしていたのか尋ねます。
映子は過去の誤りについて自分で落とし前をつけようとしていたのでした。そして右京達をその為の保険としてヒントを残していたのです。
千鶴が無事に釈放され、前の事件も再審請求することになりました。映子なら必ず無罪を勝ちとると右京達は信じるのでした。
相棒第15話の感想
倉田映子さんが信念を持ち続けていてくれて良かったです。彼女の回はちょっと嫌な気分が残っていたので、元気な姿を見てホッとしました。それにしても千鶴さんはまさに不運な人でした。一度ならず二度までも罪をなすりつけられそうになるなんて、何か民事的なことで三谷から賠償金でもとってやればいいのにと思います。