一緒にいると疲れてしまう人といえば、ネガティブで暗い話ばかりする人が思い浮かびますが、逆にポジティブな人と一緒にいると疲れてしまうと感じる人も多いのです。
この記事では、ポジティブな人との付き合いが疲れる理由とその対策について探ってみましょう。また、相手を責めるだけでなく、自分を見つめ直す良い機会となるポイントも紹介します。
ポジティブな人に疲れる
ポジティブであることは、積極的で前向きな生き方を支える素晴らしい力であり、人生を楽しく充実させる手段です。
私たちは皆、成長し進化する方向性を持っているため、人間は本来、ポジティブな姿勢で生きることができるように設計されていると考えられます。
それにもかかわらず、ポジティブな人に対して疲れを感じる人が存在することも確かです。
これは、成長の進み具合や進む方法が個性に依存しているため、性格によってその表現が異なるからだと思われます。
進むべき方向があるとしても、時には休息や立ち止まり、過去の経路を振り返ることが必要です。これは個々の成長スピードによるものであり、様々な方法が存在します。
間違った方向に進んでしまうこともあるかもしれませんが、個々の判断が尊重されるべきであり、善悪は主観的でありながらも、各人の自由に任されています。
ポジティブな人に対する疲れの原因は、この判断の自由が制限されることによるものであると考えられます。
ポジティブな人に疲れる具体的な理由
ポジティブであることは素晴らしいことですが、度が過ぎれば悪い面も浮かび上がり、周りに疲れを与えることがあります。この現象の原因として以下の点が挙げられます。
1. ポジティブの押し付け
ポジティブであることは良いことですが、その良さを強調して、他の人にも同様にポジティブでなければならないかのような感じで伝えられると、強制されているような気分を抱くことがあります。人は自分の意思で動かれたいものであり、強制されるとストレスがたまり、疲れを感じることがあります。
2. 共感してもらえない寂しさ
ポジティブな人であっても、時には愚痴をこぼしたり、共感を求めたりすることがあります。しかし、愚痴を言わないように心がけている人や、他人の感情に敏感でない人にとっては、理解されず孤独感を感じることがあります。相手に理解されることでストレスが解消されるのに、理解されないと逆にストレスがたまり、疲れを引き起こします。
3. 自慢話など聞きたくない
友人関係でも、話が愚痴ばかりだと疲れてしまうように、自慢話も同様に相手にエネルギーを奪い取る行為となります。ポジティブすぎる人が自慢話をし過ぎると、周りの人は自然と距離をとります。エネルギーを奪われることはポジティブではなく、逆に疲れを生じさせる結果となります。
4. 引け目を感じる
ポジティブな人を見て、自分がネガティブであることに引け目を感じることがあります。その引け目が大きくなればなるほど、自分を否定し無駄なエネルギーを使うことになり、疲れを感じる原因となります。この感情は時に、ポジティブな人に対して嫉妬やうらやましさといった複雑な感情を生むこともあります。
ポジティブであってもポジティブすぎる人には疲れる
ポジティブな人に疲れることは、ネガティブな人だけでなく、ポジティブで前向きな人にも発生します。その理由は、ポジティブすぎる人が常に元気でいることを強調し、それが時として疲れを生むことに起因しています。
ポジティブすぎる人は、いつも活気にあふれていることが大切だと信じていることがあります。しかし、何事もない時や穏やかな状況でも、元気すぎる様子はまるで静かな場所で無理に騒ぐ人のように感じられることがあります。
疲れるのは自分がネガティブだからではなく、場をわきまえないポジティブな人が周囲に不快感を与えるためです。場をわきまえないことは、状況に応じて振る舞うことであり、前向きであることが良いとしても、相手や周囲の気持ちを考慮しない行動は自己中心的です。
ポジティブな気持ちを持っていても、周りに迷惑をかけるなら、それは結果的にネガティブな行動となります。ポジティブであることも含め、行動する際には周囲の状況や他者の気持ちを考慮することが重要です。
また、ポジティブすぎる人もまた疲れを感じている可能性があります。自分をポジティブに保とうとするあまり、ネガティブな部分を否定し、引け目を感じることもあります。無理な行動は疲れの原因となり、自然体で自分らしくいることが重要です。「ポジティブでなければならない」というプレッシャーを感じず、自分の感情やペースを尊重することが、疲れを防ぐ手段となります。
ポジティブすぎる人との距離の取り方
ポジティブすぎる人との関わりにおいて、同じ土俵でエネルギー勝負になることがあります。しかし、同じ土俵に立つことで勝ち負けの競争が始まり、疲れやストレスが生じる可能性があります。そのため、ポジティブすぎる人との距離を取る上で重要なのは、以下の点です。
1. 相手に合わせようとしない
相手と同じ土俵で競いたいと思わない場合は、無理に相手に合わせようとしないことが重要です。相手のポジティブさに押し切られることなく、自分のスタイルを守りましょう。相手が幸せそうに見えるからといって、それに飛びつく必要はありません。相手の言葉や行動に流されず、自分らしさを大切にすることが大切です。
2. 自分の幸せを求める
ポジティブに生きることは幸せな人生を目指すための手段であるべきですが、過度にポジティブな姿勢を維持しすぎて人からの賞賛を求めてしまうことは避けるべきです。自分の幸せを他者の評価に依存させず、内面からの充実感を追求することが重要です。人からの賞賛よりも自分が心から幸せを感じることが、持続可能な幸福感の源となります。
自分の中にあるポジティブな人に疲れる理由
ポジティブな人に疲れる理由は、必ずしも相手に原因があるわけではありません。ポジティブな人との関わりで感じる疲れは、自分に何かしらの学びがある可能性があります。相手を否定してしまうことで引き寄せているかもしれません。他者を否定することは、自分が見たくない部分を反映させており、そこに怖れを感じている可能性があります。怖れを受け入れつつ、他者も受け入れることで、より良い関係を築くことができるでしょう。
まとめ
「ポジティブな人に疲れる」と感じる人や、「ポジティブすぎる人はうざいから嫌い」と考える人は珍しくありません。確かに、自分の感情を優先し、他者の気持ちを理解しようとしない姿勢は不快に感じることがあります。ただし、相手の悪いところに焦点を合わせているだけでは、関係が発展する余地がないことも事実です。
実際には、ポジティブすぎる人の行動が気になる原因を自分の中に見出すことで、不思議とその人が気にならなくなり、自分の前に現れなくなることがあります。これは、他者に対する感じ方が自分の内面に基づいていることを示唆しています。
何事も、他者の行動や特性が気になる場合は、その気になる要因が自分の中に何かしらの反映がある可能性があります。他者を理解し受け入れる際に、自分の内面を見つめ直し、過去の経験や価値観と向き合うことで、相手に対する感じ方が変化することがあります。
結局、気にならなくなれば通り過ぎていくものであり、他者との関係においても自己成長と理解が重要であると言えます。
