サウナを健康的に楽しむ際にも、5セット以上繰り返すことは慎重に考える必要があります。このやり方が過度になると、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
通常、サウナはサウナ→水風呂→休憩・外気浴を1セットとし、これを繰り返すことで「ととのう」と呼ばれる快感を得ることができます。専門家によれば、一般的には3〜4セットが効果的だとされています。
2019年には、サウナをテーマにしたドラマが放送され、それ以来、日本ではサウナが大ブームとなっています。全国各地で新たなサウナ施設がオープンし、老若男女が「ととのう」感覚を求めて日々訪れています。
新型コロナウイルスの制限が緩和され、春からは多くの人がサウナに挑戦しようと考えていることでしょう。
この記事では、サウナを効果的に楽しむために、5セット以上はやりすぎる危険性についてお伝えしていきます。
なぜサウナは3〜4セットが効果的なの?
サウナ体験では、通常1回につき3〜4セットが最適とされています。このサイクルを重ねることで、ヒートショックプロテインが生成され、その効果が期待されるのです。
ヒートショックプロテインは、生物が備えている細胞修復能力で、38度以上の熱によって生成され、ストレスによって損傷した細胞を修復します。
このプロテインは美容やダイエットのサポートだけでなく、免疫力の向上も促進します。サウナが美肌に良いとされるのは、このヒートショックプロテインの働きによるものです。
サウナに3〜4セット入浴することで、10分間のサウナ体験で深部体温が約0.6度上昇し、3セットで平熱より約1〜2度上昇させることができます。
日本人の平均体温が36.6〜37.2度であることを考慮すると、3セットのサウナ浴がヒートショックプロテインの生成に十分であると言えます。
身体的な効果として、サウナ浴を3〜4セット程度繰り返すことで心臓や血管が強化され、疲労回復や睡眠の質の向上が期待されます。また、心筋梗塞や認知症などの病気の予防にも寄与します。血行が促進され、酸素が全身に行き渡ることから、特に女性にとってありがちな冷え性の改善も期待できるとされています。
サウナを5セット以上やりすぎるとどうなるの?
サウナには健康に良い効果が多くある一方で、やりすぎることで大きなデメリットが生じ、時には健康を損なう危険性もあることを知っておくべきです。以下に、そのデメリットをいくつか見ていきましょう。
身体への負担増加: 高温多湿なサウナ室内への出入りは、急激な温度変化により血管が拡張・収縮を繰り返し、これが心臓に大きな負荷をかけます。3〜4セットの適度な負荷は心臓を強化しますが、5セット以上の無理なサウナ浴は脳卒中や心筋梗塞のリスクを高め、非常に危険です。
髪の毛への悪影響: 高温なサウナ室内は髪の毛にとっても優しくない環境であり、髪の乾燥が進みやすくなります。髪の毛のタンパク質が固まってパサパサとした髪になりやすく、傷みが生じる可能性があります。
男性不妊のリスク: 男性の精子は熱に弱く、サウナのような高温環境は精子の健康に影響を与える可能性があります。精子が健康に成熟するには精巣内の温度が35度程度に保たれることが理想的であり、5セット以上のサウナ浴はこの温度条件を超え、妊活には好ましくない可能性があります。
疲労の増加: 3〜4セットの適度なサウナ浴は血行を良くし、疲労物質を排出し、自律神経を整えるため、疲労回復効果があります。しかし、5セット以上の無理なサウナ浴は逆に疲労感を高め、翌日のパフォーマンスにも影響を及ぼす可能性があります。サウナで疲れをとるつもりが、逆に疲れを溜めてしまうことがあります。
まとめ
サウナを5セット以上繰り返すことのデメリットや危険性について理解いただけましたでしょうか?
もちろん、個々の体質や耐性によってサウナの暑さや湿度への対応が異なります。1〜2セットで効果的な体温上昇を得ることができる人もいれば、5セット以上で「ととのう」感覚を得る人もいます。
基本的には3〜4セットが最適とされていますが、自分の体調や感じ方に合わせてセット数や時間を調整することが重要です。無理なく心地よいサウナ浴を楽しむために、自分の身体に合ったペースで取り組んでいくことが大切ですね。