風邪を引いた際には、〔栄養価の高い食事を摂り、体を温め、十分な休息をとる〕というアドバイスが古くから存在しています。しかし、そんな状況だからこそ、なぜかカップ麺が食べたくなることってありますよね。
不思議なもので、体調がすぐれないときになぜ食べたくなるのか理解しがたいものです。
今回は、風邪の際になぜカップラーメンが適さないのか、なぜ無性に欲しくなるのかについてもご紹介していきます。
風邪を引いた際には、消化しやすい食材を選ぶのが良いというのは一般的な知識ですが、その背後にある理由まで理解している人は少ないでしょう。
また、即席で調理できるカップラーメンは忙しい日々においてはもちろん、体調不良で外出が難しい時にも手軽な食事として便利です。そのため、多くの人が家にストックしていることでしょう。
風邪を早く治すためにも、最後までお付き合いいただきながら、理解を深めていただければ幸いです。
目次
風邪をひいた時にカップラーメンは良くない？
結論から言えることは、風邪の程度によりますが、風邪をひいているときにカップ麺やインスタントラーメンを摂るのは体にとって好ましくないと言えるでしょう。
ただし、体調が極端に悪いときにはカップ麺が食べたくなることは少ないため、これはまだ体が元気なサインかもしれません。
それでは、風邪の状態においてなぜカップ麺が避けられるべきなのでしょうか？
風邪を引くと、体はウイルスとの戦いにエネルギーを使います。ただし、この時期には胃腸の動きが鈍くなっており、通常のようなスムーズな消化・吸収が難しくなっています。
したがって、油や食物繊維が豊富な食事を摂ると、胃腸に負担をかけ、場合によっては吐き気や下痢の原因となる可能性があります。
カップ麺は油分や塩分、添加物が多く含まれているため、風邪で弱っている胃腸には大きな負担となり、結果的に風邪の回復を妨げてしまうことも考えられます。
風邪をひいた時にカップラーメンを無性に食べたくなる理由とは？
風邪を引いたときにカップラーメンが食べたくなるのは、体がエネルギーや栄養を必要としているからだと考えられます。
実際、体調が良くない時でも、日常生活で特定の食べ物を強く欲することがあります。これは、無意識のうちに自分の体が不足している栄養素を求めている可能性が高いです。
例えば、「マグネシウムが不足するとチョコレートが食べたくなる」「カルシウムが不足するとポテトチップスが食べたくなる」など、日常の食欲には栄養素のバランスを補う意図が潜んでいることがあります。
風邪を引いた場合、体がウイルスとの闘いでエネルギーを多く使うため、塩分、糖質、脂質などの栄養素が必要とされます。そのため、即席のカップラーメンが手軽にこれらの要素を摂取できるため、風邪をひいた時に特に食べたくなるのかもしれません。
風邪の時に胃腸に優しい麺類は？
体が欲しているとはいえ、カップラーメンは胃腸にとって負担が大きいです。
したがって、体調が優れない時には、消化の良い【うどん・そば】を選ぶことが重要です。
うどんは油分や食物繊維を含まない炭水化物で構成されており、そのため胃腸にかかる負担が軽減されます。
また、うどんは消化が早く、すぐにエネルギーに変わるため、風邪などで体力が急激に減少している時に適しています。
一方で、そばには食物繊維が含まれていますが、うどんに比べて消化にやや時間がかかります。しかし、それでも胃腸には大きな負担にはなりませんので、体調が悪い時に食べても安心です。
緊急の場合に備えて、冷凍うどんなどを常備しておくこともおすすめです。
カップラーメン以外で風邪の時に食べてはいけないものは？
風邪や体調が優れない時には、カップラーメン以外にも避けた方が良い食べ物や飲み物がいくつかあります。風邪の症状を早く和らげるために、どのような食事が良いのか、避けるべきかを知っておくことが重要です。
1. 揚げ物・油っぽい食べ物
風邪の際には、揚げ物や油っぽい食べ物は避けた方が良いです。これらの食べ物は消化に時間がかかり、胃腸に負担をかける可能性があります。油分が多いためには、胸焼けや胃もたれを引き起こす可能性もあるため、インスタントラーメンなども摂取する際には注意が必要です。体調が回復してから摂るようにしましょう。
2. 辛い食べ物
風邪の時には、辛い食べ物も控えるべきです。辛い食べ物は胃腸を刺激し、消化に負担をかける可能性があります。また、辛い食べ物に含まれる成分が喉や鼻の粘膜を刺激し、症状を悪化させることがあります。風邪の症状がある時には、刺激の少ない食事を心がけましょう。
3. カフェイン
カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶なども風邪の際には注意が必要です。カフェインには利尿作用があり、摂りすぎると体内の水分が不足し、脱水症状が起きる可能性があります。また、冷たい水を摂るとお腹が冷えるため、こちらも避けた方が良いでしょう。風邪の時には、常温の水や麦茶、白湯などで水分を補給するよう心掛けましょう。
まとめ
私たちの体は無意識のうちに必要な栄養素を補おうとします。そのため、風邪のときでもカップ麺が食べたくなるのは、体が何かを求めている合図かもしれませんね。
ただし、タイミングを誤ると、体に余計な負担をかけてしまう可能性があります。風邪の症状がある時には、刺激の少ない食事を選ぶことが大切です。適切な食事は風邪の症状を和らげ、早く回復する助けになります。体の声に耳を傾け、適切なケアをすることが重要ですね。
