多くの人が経験するであろうごぼうの中にすが入り、スカスカになってしまう問題についてお話ししましょう。この現象は一般的に「すが入り」と呼ばれ、今回の記事では、その原因や解決策について詳しく説明してみたいと思います。
ごぼうの中がスカスカの原因は「す」
すがごぼうのスカスカ現象の原因です。ごぼうを切ると、中に空洞ができ、結果としてスカスカになることがあります。この状態を「スが入る」と表現します。
すという漢字は「鬆」と書かれ、その意味は「あらい」や「ゆるい」などです。この漢字は、骨が脆くなる骨粗鬆症（こつそしょうしょう）など、骨に関連する病気でも使用されています。
「スが入る」現象は、ごぼう以外の野菜、たとえば大根やかぶ、にんじんなどにも起こることがあります。
ごぼうに「す」が入る原因
ごぼうにすが入ってしまう原因は、主に以下の2つです。
水分不足： ごぼうにすが入る主な原因は水分不足です。新鮮なごぼうは通常、硬くて張りがあります。これはごぼうの繊維が適切な水分を保持しているためです。しかし、ごぼうが収穫された後に適切な乾燥処理を受けずに保存されると、繊維から水分が失われ、ごぼうが柔らかくなり、中に空洞ができてスカスカになります。元々すが入っていない新鮮なごぼうでも、不適切な保存方法を取るとすが入る可能性があるため、正しい保存方法が重要です。
収穫遅れ： ごぼうにすが入る原因のもう一つは、収穫の適切な時期を逃すことです。ごぼうを含む根菜類は、収穫時期が過ぎると大きくなりすぎて中に亀裂が入り、隙間ができてスカスカになることがあります。したがって、太くて大きなごぼうが美味しそうに見えるかもしれませんが、太すぎるごぼうはすが入っている可能性が高いため、選ぶ際には適度な太さのものを選ぶことが重要です。ごぼうを購入する際には、太さにも注意を払いましょう。
すが入ったごぼうは食べられる？
すが入ったごぼうは食べられます
すが入るということは、必ずしも腐敗を意味するわけではありません。したがって、スカスカになったごぼうは食べることができます。ただし、鮮度が低下しており、通常のごぼうと比べて味や食感が劣ることがあります。
また、鮮度が低下したまま放置すると、腐敗する可能性があるため、早めに食べることをおすすめします。もしスが入っているだけでなく、異臭や腐敗の兆候がある場合は、食べないで廃棄するべきです。
元々スが入っているごぼう品種も存在します
ごぼうにはさまざまな品種があります。一般的に市場で見られるごぼうは、「滝野川ごぼう」として知られ、市場に出回っているごぼうの大部分がこの品種の派生品種です。ただし、ごぼうの品種には元々すが入っているものも存在します。したがって、スが入っているからといって必ずしも鮮度が低いわけではありません。
例えば、「大浦ごぼう」は、匝瑳市大浦地区で生産されるごぼうの品種で、通常のごぼうよりも太く、直径が30cmに達することがあります。この品種は肉質が粗く、空洞がある特徴があり、一般的なごぼうよりも柔らかい食感で、さまざまな調理法に適しています。
また、「堀川ごぼう」は、春に種をまいて収穫し、その後斜めに埋め戻して再度育て、冬に再収穫するごぼうの品種です。これは一般的な滝野川ごぼうよりも太く、直径が6cm〜9cmに達します。堀川ごぼうは繊維が柔らかく、独特の香りがあり、空洞があるため、煮物に適しています。
要するに、すが入っているごぼうも、その品種によって異なる特徴があり、正しく調理すれば美味しく楽しむことができます。
スが入ったごぼうの対処法
スが入ったごぼうの対処法
水に浸ける:
水分不足がスが入る原因の一つである場合、ふにゃふにゃになってしまったごぼうを救う方法です。ごぼうを水に浸けることで、繊維が水分を吸収し、元の固さを取り戻します。タッパーウェアなどに水を入れ、ごぼう全体を浸けるか、水を含んだコップにごぼうを挿しておくことで、約2日ほどで元の固さが戻ります。
スが入った部分を取り除く:
スが入っている部分は通常、食感が異なります。部分的にスが入っている場合は、手間がかかりますが、スが入った部分を取り除いて調理する方法があります。全体的にスが入っており、取り除すと可食部が少なくなりすぎる場合は、ごぼうを細かくカットするなどして、食感の問題を軽減することができます。
まとめ
ごぼうの中にすが入ってスカスカ！腐ってる？食べても大丈夫？原因と対処法についてみてきました。
ごぼうにすが入る現象は、主に水分不足や収穫遅れなどが原因とされます。この状態でも基本的には食べることができますが、鮮度が低下しているため味や食感には影響が出ることがあります。注意が必要なのは、スが入っているだけでなく、腐敗の兆候が見られる場合です。異臭や変色などがある場合は、安全のために食べないで廃棄することが重要です。
すが入っているごぼうに対する対処法としては、水に浸けて繊維が水分を吸収し、固さを取り戻す方法があります。また、部分的にスが入っている場合は、スが入っている部分を取り除いて調理することで、食感の改善が可能です。
さらに、ごぼうの品種には元々スが入っているものも存在します。例えば、「大浦ごぼう」や「堀川ごぼう」など、これらの品種はスが入っている特徴を持ちながらも、それを活かした美味しい料理が楽しめます。適切な調理法を選んで、スが入っているごぼうを楽しむことができます。
