運動会と言えば、短距離走や綱引き、そしてリレーなどが典型的な競技として挙げられますね！
その中でも、特に印象深い演目の一つがソーラン節の踊りです。皆で一丸となってソーラン節を踊ったり、または子供たちが元気よく踊る姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか？
気づかぬうちに踊られるソーラン節には、実は深い意味が込められています。このブログでは、なぜ運動会でソーラン節が踊られるのか、その意義について疑問に思ったことはありませんか？そんな疑問にお答えし、ソーラン節と運動会の関係について詳しく解説していきます。
ソーラン節はなぜ運動会で踊られるの？
運動会で広く踊られるようになったソーラン節の背後には、思わぬ事実が明らかになりました。
ソーラン節の誕生は、北海道の稚内南中学校にさかのぼります。約1984年頃、稚内南中学校は当時の社会情勢や学内の問題から、校内での暴力やいじめが横行していました。
このような状況を打破し、生徒たちに何かを共有し、達成感を味わわせるため、教師たちによって考案されたのが「南中ソーラン」と呼ばれるものでした。
しかし、南中ソーランは伝統的な民謡の要素が強く、生徒たちには受け入れられませんでした。1991年には、ソーラン節がロック風にアレンジされ、テレビコマーシャルで放送されました。これに感心した教師が、このリズミカルでアップテンポな曲が生徒たちに受け入れられるだろうと考え、結果的に大成功を収めました。
全国的に注目されるきっかけとなったのは、1992年に開催された第10回民謡民舞大賞全国大会での受賞でした。この大会でのグランプリ獲得が、「ソーラン節が学校を更生させた」というイメージを植え付け、それ以後、運動会の演目として取り入れられるようになりました。
この経緯を考えると、教育現場がソーラン節を選ぶ理由が理解できますね。
ちなみに、ソーラン節の振り付けや掛け声は、北海道ゆかりのニシン漁をイメージしています。ニシン漁は過酷な重労働であり、大勢の労働者が協力して作業を行っていました。その中で大きな掛け声や歌が生まれ、それがソーラン節の「どっこいしょ！どっこいしょ！」や、大きな網を引っ張るような踊りに結びついています。
労働歌や作業歌は時代を超えて厳しい労働環境から生まれるものですが、現代においても力強さやパワーに溢れています。ソーラン節の力強さや迫力は、運動会の熱気と相性が良く、集団での掛け声などが、広く運動会で踊られる要因の一つと言えるでしょう。
ソーラン節は運動会でいつから踊られているの？
ソーラン節の成り立ちを知った上で、運動会で広く踊られるようになったのは具体的にいつからなのか、その背景を探ってみましょう。
調査した結果、ソーラン節が運動会で広く踊られるようになったのは、大きく二つの流れが発端として挙げられます。
一つ目は、「３年Ｂ組金八先生」の影響によるものです。この有名な学園ドラマは1979年から2011年まで32年間にわたり、国民的な人気を誇る作品でした。その中で1999年に放送された第5シリーズで、ソーラン節が取り上げられ、これが運動会での定番種目として浸透するきっかけとなりました。
ドラマでは、文化祭のクラス内での出し物が決まらず、金八先生が別の学校で行われていたソーラン節を提案するエピソードが描かれています。全員で一体感を持って踊るソーラン節は迫力があり、運動会の出し物として採用されることとなりました。
二つ目は、「ＹＯＳＡＫＯＩソーラン祭り」からの影響です。高知県で1954年に開催された第一回よさこい祭りにおいて、鳴子を手に持って踊るスタイルが提案され、これが後に「ＹＯＳＡＫＯＩソーラン祭り」へと発展しました。1992年に北海道で初開催されたこの祭りは、高知県の「鳴子踊り」と北海道の「ソーラン節」を融合させたものであり、そのブームが運動会や文化祭で広くソーラン節が踊られるきっかけとなりました。
これらの要因が絡み合って、現代の運動会や文化祭でソーラン節が広く愛され、踊られるようになったのです。驚くべきことに、ソーラン節が広くメジャーな演目となったのはおおよそ20年前からであり、それ以前には運動会で踊ったという記憶を持たない人も多いようです。
一つの要因として、学校の指導者不足や授業時間の不足が挙げられます。近年の学校では、運動会の練習に割ける時間が減っていることが影響しているかもしれません。そのため、一度に多くの生徒に踊りを教え、楽しんでもらえるソーラン節が選ばれ、広く普及したのかもしれませんね。
運動会のソーラン節ではどんな曲が使われている？
運動会で踊られるソーラン節の曲にはいくつかありますが、その中でも最もメジャーとされるのが伊藤多喜男さんが歌う『ＴＡＫｉＯのソーラン節』です。伊藤多喜男さんは北海道苫小牧出身の民謡歌手で、南中ソーランをロック調にアレンジし、全国的なブームを巻き起こしました。
伊藤多喜男さんは、幼少期から漁師のお父さんがソーラン節を歌う中で育ち、その影響を受けています。また、春日寿升さんとともに南中ソーランの振り付けにも取り組み、彼らの力強い歌と踊りが現代的で力強いアップテンポな曲として生まれました。
『ＴＡＫｉＯのソーラン節』が広く世に知られるようになってからは、もともとの南中ソーランの存在があまり耳にされなくなりました。しかし、元祖の南中ソーランもまた日本的で魅力的な要素を備えており、『ＴＡＫｉＯのソーラン節』とともに、両者を大切にしながら日本の民謡文化を堪能することが重要です。
現在、運動会や文化祭で広く使われているのは『ＴＡＫｉＯのソーラン節』ですが、どちらも日本の伝統的な音楽文化の一環として、心に留めておくべき楽曲です。
まとめ
ソーラン節が運動会で踊られる背後には意外な原点や面白いエピソードが隠れていることがわかり、その事実に興味津々でしたね！これらの情報を知ることで、ソーラン節に対する耳や目の捉え方が変わることでしょう。
また、次にソーラン節に出会う際には、それらの知識を背景に楽しむことができるでしょう。新しい発見や理解が、ソーラン節の魅力をより深める手助けとなることでしょうね！
