暑い季節になると、食卓には涼しげな食材が欠かせませんね。みなさんもキュウリやトマト、そして爽やかなレタスのサラダで、食事を涼しく楽しまれていることでしょう。ただし、夏野菜をたくさん摂れば摂るほど良いわけではないのを知っていますか？
一般的に野菜は健康に良いとされがちですが、食べ方を誤ると逆に体調を崩す原因となることがあります。今回は特に夏において、レタスに焦点を当ててみましょう。
レタスはさっと水洗いするだけで見栄えもよく、日常的に摂りたい野菜の一つです。しかし、食べ過ぎると本末転倒。体に悪影響を及ぼす可能性があります。健康への影響だけでなく、正しい食べ方も考慮してみましょう。夏の食卓に涼しく、そしてバランス良く取り入れてみてくださいね。
レタスの食べ過ぎは大間違い
まず、レタスはその95％が水分で構成されています。一部でダイエット食材として有名ですが、その割には栄養が少ないと言えるでしょう。
もちろん、「骨を丈夫にしたいからカルシウムの多い牛乳を飲もう！」のような具体的な目的のために摂取すべき食材ではありません。食物繊維が豊富だと思われがちですが、実際には100グラムあたりわずか1.1グラムしか含まれていません。これに比べ、ゴボウは6グラム、カボチャですら4グラムあります。したがって、食物繊維を摂るためにはレタスだけでは十分ではないことがわかります。
もちろん、他にも優れた栄養素が含まれているのではないかと考えるかもしれませんが、通常のレタスには目立った栄養がほとんどありません。一方で、老化防止に役立つカロテンがサニーレタスには多く含まれています。栄養を目的とするなら、サニーレタスを選ぶのが良いでしょう。
ただし、通常のレタスだけでは栄養失調に陥る可能性があります。特に、レタスだけを食べるダイエットは注意が必要です。レタスは水分でお腹を膨らませる効果がありますが、他の食材と組み合わせて摂ることを心がけるべきです。
栄養がほとんどないからといって、たくさん食べても大丈夫というわけではありません。確かにレタスの栄養価は限られていますが、その大部分が水分で構成されており、食べ過ぎると体を冷やす結果となります。
少量なら心地よいかもしれませんが、過度な摂取は避けるべきです。食べ物によって体を内側から冷やすことは、内臓を冷やすことを意味します。これは消化不良や下痢など、体調不良の引き金となりかねません。ですので、食べ過ぎには十分な注意が必要です。
それでもレタスが長く愛される理由
レタスは長い歴史を有し、紀元前約4500年頃から葉レタスが食卓に並ぶようになり、日本でも江戸時代になると玉レタスと呼ばれるまあるい形のレタスが広まりました。
なぜこの栄養が少なく、主に水分から成る食材がこれほどまでに愛されているのでしょうか？
実際、適切な量を摂れば問題はありませんし、健康にも良い影響があります。この記事では、レタスを非難するつもりはなく、むしろその健康効果に焦点を当てています。
葉レタスには先述の通り、カロテンが多く含まれ、爪や皮膚、髪の毛の健康を促進し免疫力を向上させる効果があります。
通常のレタスには水分が多いため、適切な量を摂取すると便秘改善や肌の健康促進に寄与します。栄養価はそれほど高くないとはいえ、野菜であるため、体に良い成分が少なからず含まれています。
適量とは具体的にどれくらいかは特定されておらず、食べ方や体調によって異なります。ただし、当然ながらレタスだけを摂取したり、毎日丸々一玉を食べるなどの明らかな過剰な摂取は避けるべきです。
ダイエットの一環として摂取する方も多いかもしれませんが、他の栄養もしっかりと摂りながら、余分なものを取り入れずにレタスを取り入れるなど、工夫が必要です。
レタスの美味しい＆正しい食べ方
健康的な食べ方についてご紹介します。これは簡単な方法ですが、日本人があまり取り入れない調理法である「火を通すこと」です。
中華料理では、レタスチャーハンやレタスで包んだ蒸し料理、そしてレタス入りの中華スープなどが一般的ですよね。
日本では生で食べることが一般的ですが、中国では基本的にレタスは加熱して食べる習慣があります。これは衛生的な問題もありますが、同時に理にかなった調理法なのです。
加熱すると栄養が流出したり、壊れるという懸念がありますが、壊れるのは一部の栄養素、例えば酵素などのみです。
葉レタスに多く含まれるカロテンは熱に強い栄養素であり、他に含まれるビタミンCやカリウムも流出しますが、流れた水分を含んで食べることで栄養の損失を最小限にできます。
加熱することでかさが減り、同じ量を食べられるようになります。また、加熱により水分が減り、体を冷やす心配も減少します。これにより、より多くの量を安心して摂取できます。
中華料理のレシピを参考にすれば、レタスを加熱調理するアイデアがたくさん見つかりますのでおすすめです。
例えば、お肉の量を減らし、代わりにレタスでかさを増すといった方法は、健康的なダイエットにつながります。
また、レタスは臭いや味にクセがなく、料理に違和感を与えません。簡単に摂取する方法として、今までの料理にプラスアルファでレタスを追加するのもおすすめです。
レシピ検索が面倒な方は、今日の献立のどこかにちぎったレタスを加えてみてください。
まとめ
まず、レタスは主に水分から成り立ち、栄養価が低いと言えます。食べ過ぎると体を冷やし、体調不良につながる可能性があります。しかし、火を通すことでかさが減り、効率的にカロテンなどの栄養を摂取できるという利点があります。
ですので、たくさん食べる際は火を通すことをお勧めします。レタスサラダよりも、例えばレタス入りの野菜炒めが良い選択です。これにより、栄養をしっかり摂りながら適切な量を食べることができます。
先程述べたように、栄養が少ないとの一面もありますが、正しく食べればレタスは健康に良い素晴らしい食材です。そのことを物語るように、長い歴史があります。これからもレタスとの付き合いを大切にしていきたいものですね。
日本の野菜は清潔であり、サラダは手軽で美味しいです。しかし、体調に不都合が生じる可能性もあるため、無理なくレタスを活かす方法を見つけることが重要です。この夏には、加熱したレタス料理を一品取り入れてみてはいかがでしょうか。
