日本文化では、食事中に腕をつくことがマナー違反とされています。
では、なぜ腕をつくことが悪いとされているのでしょうか?
確かに、肘をつくと注意されることがありますね。
今回は、食事の際に腕をつくことがなぜマナー違反とされるのかについてご紹介します。
食事中に腕をつくと、「マナーが悪いから控えてください」と叱られることがあります。
目次
食事で腕をつくのがマナー違反の理由
食事中に腕をつくことがマナー違反とされる理由は様々ですが、その中でもっとも考えられるのは、姿勢が悪くなるからです。
食事マナーでは、美しい姿勢で食べることが重要視されており、腕や肘をついて食べると不自然に猫背になり、姿勢が崩れてしまいます。また、自分が行っている際には気づかないかもしれませんが、他人が腕をついて食べている光景は、だらしない印象を与え、みっともないと見られることが多いです。
この慣習は昔からのしつけが影響している面もありますが、客観的に見れば、腕をついて食べることは見栄えが悪いとされやすいのですね。
さらに、肘や腕をテーブルに乗せると、食べ物がこぼれやすくなります。そのため、テーブルから離れてしまい、食べ物をこぼしてしまう可能性があるため、これも腕をつくことが非推奨とされる理由の一つです。
美しい姿勢は見た目だけでなく、機能面でも合理的なマナーなのですね。
乗せるなら手首
前述の通り、腕をつく食事は見た目にも良くないことをご説明しました。しかし、腕が手持ち無沙汰になる場合、どのような食べ方をすればスマートに見えるかと言えば、手首をテーブルに乗せることをお勧めします。
例えば、フレンチやイタリアンのような料理で、手首をテーブルの上に置き、フォークとナイフを使う食事風景は非常に洗練されて見えます。
つまり、肘ではなく手首をテーブルに乗せることで、手持ち無沙汰になる状況でも、スマートで上品な印象を与えることができます。この食べ方を取り入れると、マナーを守りつつも快適な食事を楽しむことができるでしょう。
食事中の腕組みもNG?
仕事中や考え事をする際に腕組みをする方は、男女問わず多く見られます。
しかし、食事の際に同様のポーズをとると、特にレストランなどでは行儀が悪いと受け取られることがあります。腕組みそのものがあまり好意的に受け取られないこともありますが、普段からこの癖がついていると、ちょっとした場面で無自覚に表れることがあります。
腕組みは周囲に威圧感や圧迫感を与える行為ともされており、食事の場だけでなく、普段の日常生活でもできるだけ避けた方が良いでしょう。無意識のうちに行われる習慣が、周りの人々に不快な印象を与えないよう心がけることが重要です。
食器を手に持って身振りや手振りはNG
ナイフとフォークを上手に使い、スマートに食事をしていても、食事の途中でこれらの道具を手に持ちながら身振りや手振りで話すと、その瞬間にイメージが大きく損なわれます。
途中まで上品に振る舞っていたとしても、このような動作が見受けられると、一気に格が下がる可能性があります。洋食のナイフやフォークだけでなく、和食の箸を持ちながらの身振りや手振りのおしゃべりも避けるべきです。
食事は一つの儀式であり、上品なマナーが求められます。食器や道具を手にしたままのジェスチャーは、その儀式を乱すことになりかねません。注意深く食事を楽しむことが、良い印象を与えるポイントとなります。
和食でNGの手皿とは?
腕をつく食事が主にレストランのマナー違反とされる一方で、和食において避けるべきマナーとして覚えておきたいのが、手皿と呼ばれる行為です。
手皿とは、空いた方の手を小皿のようにして、食べ物の下に添える行為を指します。この所作は一見上品に見えるかもしれませんが、和食では厳密にはNGとされています。もし手皿をして、ソースなどが手にこぼれた場合、おしぼりやティッシュなどで手を拭くことになりますが、おしぼりは本来食べる前に手をきれいにするためのものであり、その汚れをおしぼりで拭くことは店の方にとっては大迷惑となります。
マナーは基本的に他人に不快な印象を与えないことが前提となるため、おしぼりの清掃が手間となることも、この行為がマナー違反とされる理由の一つです。手皿をする方は一見上品な行動に見えるかもしれませんが、和食の場ではマナー違反になるため、注意が必要です。
食事で腕をつくとみっともない? まとめ
食事の際に腕をつくことがマナー違反とされる理由や、腕関連のマナーについてご紹介しました。
腕をつく食事は、親などにしつけられていると、避けるべき行為です。なぜなら、まず見た目がみっともなく映り、また食べにくいといった問題も生じます。もし肘をついて食べることが特に禁止されていない場合でも、大半の人がこれを不快に感じる傾向があるため、食事中は腕をつかないように気を付けることが重要です。
良い食事マナーは、他者に配慮し、上品な印象を与えることに繋がります。見た目や行動に気を配りながら食事を楽しむことが、良い印象を残す秘訣となります。