畑や庭に出没する小動物、モグラ。まだ見たことがない人もいるでしょう。
モグラは一般的に畑を荒らす存在として認識されがちですが、その可愛らしい姿に惹かれて、飼ってみたいと考える方もいることでしょう。
この記事では、モグラを飼育する難易度と、なぜペットとしての飼育が法律で制限されているのかについて掘り下げてみたいと思います。
モグラを飼うのは現実的に難しい
結論から言いますと、モグラを飼うのは極めて難しいと言えます。ほぼ不可能とまで考えていただいても差し支えありません。
モグラは主にミミズを食べる生物であり、その食事量が非常に多いため、エサを確保することが非常に困難です。モグラは自身の体重と同等の量のミミズを摂取します。
通常、モグラは土の中で自由に餌を見つけて食べる動物ですが、人間が飼う場合はこの自由な食事習慣を維持することが難しいです。十分な量の安定した餌を提供することは困難です。
ミミズの入手が難しく、ミミズの代わりにミンチの肉を使用することもできますが、それでも食費が非常に高額になります。
さらに、モグラは12時間以上絶食状態が続くと餓死してしまう傾向があります。モグラを飼う場合でも、食事の世話に追われることがあり、休息が難しい状況になります。
モグラの飼育においては、必ずしも土の中に飼う必要はありませんが、温度と湿度を適切に保つことが求められます。
また、太陽光を浴びることが致命的であるとの誤解があるかもしれませんが、実際には太陽光そのものに弱いのではなく、体温上昇が原因で死亡することがあります。したがって、強い光に直接当てないことが重要です。
地上で死んでいるモグラを見かけることがあるかもしれませんが、これは体温上昇やエサ不足による餓死が原因である可能性があります。
以上の理由から、モグラの飼育は非常に困難であり、素人が手を出すと寿命が短くなることが予想されます。モグラを飼うためには高いハードルを乗り越える必要があります。
モグラを飼うには許可が必要
さらにモグラの飼育が難しさを増すポイントとして、許可が必要であることが挙げられます。
許可を取らない場合、1年以下の懲役または罰金が100万円以下の刑罰が科される可能性があります。
また、「飼う」という理由だけではなかなか許可が得られない実情があります。モグラを「捕獲」して駆除することは許可なしで可能ですが、野生のモグラに関しては捕獲して飼うことは基本的にできません。
研究のために飼育の許可を得ることは理論的には可能ですが、一般の個人が許可を得るのは難しいようです。逆に言えば、モグラを研究している施設に所属することで、モグラを飼うことが可能になります。
ただし、モグラを飼いたいという一般の個人が、研究者になるための手続きを踏むことは容易ではありません。
モグラを飼いたいという希望がある場合、施設を見つけて正式な方法で研究者になることも一つの選択肢ですが、これも容易なことではありません。
なお、モグラを販売している業者は存在しません。モグラは一般に飼うことが難しい動物であり、ペットショップでは入手できません。モグラを駆除する業者は存在しますが、販売は行われていません。
全体的に、モグラの飼育は極めて難しい状況であり、諦めることをお勧めします。
モグラは動物園で見られることも
モグラを見たことがないという人が多い理由の一つは、動物園にあまりモグラがいないことが挙げられます。畑には出没する身近な生き物ではありますが、その飼育がプロでも難しいとされています。
ただし、モグラが見られる動物園も存在します。
例えば、多摩動物公園には「モグラのいえ」というエリアがあり、アズマモグラを観察することができます。このスポットは10年以上もモグラが展示されており、モグラを見てみたいという興味がある方には多摩動物公園がおすすめです。
また、自分にとってモグラを身近な存在に感じたい場合、畑を始めるという方法も考えられます。しかし、畑を始めるとモグラは害獣となるため、積極的に駆除しなければなりません。これも実現可能な方法ではありませんね。
モグラを観察する際には、飼われている動物園を訪れてその様子を眺めることが一般的な関わり方としてベストです。
ハリモグラも飼えないけどハリネズミは飼える
モグラが飼えないという残念な事実に直面した場合、ハリモグラはどうだろうかと考える方もいるでしょう。しかし、残念ながらハリモグラも珍しい動物であり、希少性が高いため飼うことは難しいです。
一方で、ハリネズミはペットとして飼うことが可能です。ペットショップで手に入れることができ、飼育には特別な許可は必要ありません。
ただし、飼育が許可されているハリネズミとそうでないものが存在するため、購入する際には注意が必要です。また、ハリネズミは一般的に人懐こい性格ではないため、その点も注意が必要です。