頻繁にウィンナーや他の料理で愛用され、その独特な辛さと食感が楽しまれているのが粒マスタードです。鶏肉や豚肉の料理に加えることで、素晴らしい味わいが生まれます。
今回は、粒マスタードが通常のマスタードやからしとはどう異なるのか、そして粒マスタードの代用品としてどのような選択肢があるのかについてご紹介いたします。
目次
粒マスタードとは？からしとの違いは？
粒マスタードとは、その名が示す通り、粒が残っている特徴的なマスタードの一種です。
通常のマスタードも粒マスタードも、いずれもからしの原料である植物の種から製造されています。
植物の種を徹底的にすり潰して粒を残さないようにすると、ペースト状のマスタードができあがります。これが通常のマスタードで、対照的に粒が残っているものが粒マスタードと呼ばれています。
この粒の存在により、食感にアクセントが加わり、プチっとした楽しさが生まれます。
また、からしの原料も通常のマスタードと粒マスタードでは異なることがあり、これが粒マスタードがやや辛味が控えめな場合が多い理由です。
粒マスタードの原料はからしになる植物の種、塩、お酢です。製品によってはこれに味や色を調整する成分が加わることもあります。原材料を確認し、好みに合ったものを選ぶ際には重要なポイントです。
粒マスタードには様々な種類があり、原料に使われるお酢の種類や調味料の違い、甘味や辛味のバランスが異なります。例えば、砂糖やはちみつを使用して甘さと辛さが絶妙にマッチしたものや、有機栽培で化学肥料を使わずに生産されたオーガニックな粒マスタードも存在します。
容器による違いもあり、多くの商品は一般的な瓶タイプと、スプーンを使わずに取り出せるチューブタイプが選択肢として提供されています。
粒マスタードと通常のマスタードの違いは、粒が残っているかどうかと辛さの度合いにあります。それでは、通常のマスタードとからしの違いはどこにあるのでしょうか。
まず、原材料の違いが挙げられます。両者ともアブラナ科の植物を原材料にしていますが、からしはカラシナと呼ばれる植物の種が使われ、通常のマスタードはシロガラシと呼ばれる植物の種が使用されます。
製造方法も異なり、からしは水で溶かして粉状にした種を使用し、味付けのための調味料は加えません。対照的に、通常のマスタードは水で溶かす際に酢や塩などの調味料が加えられます。
これにより、からしは辛さが強く、通常のマスタードは比較的マイルドな味わいが特徴です。粒マスタードを含めると、辛さの比較ではからし＞＞マスタード＞粒マスタードとなります。
使い方も異なり、からしは和食において薬味や和え物などによく使用され、和からしと呼ばれています。対照的に、通常のマスタードは洋食に広く使われ、肉や魚にも良く合い、ソースとしても多く活用されます。これが洋からしと呼ばれる由来です。
からしは粒マスタードの代わりになる？
これまでに粒マスタードの特徴や通常のマスタード、からしとの違いを詳しく紹介してきました。では、からしを粒マスタードの代用として利用することは可能なのでしょうか？
総括すると、からしそのままでは代用とはならないことが理解されるでしょう。これは、からしと粒マスタードの味や辛さの特徴がまったく異なるからです。
しかし、からしに手を加えて粒マスタードに近い味わいに仕上げることは可能です。簡単に言えば、からしに酸味や甘味を加えて粒マスタードに近づける方法があります。ただし、粒感を再現するのは難しいかもしれません。
代用方法として以下のいくつかのアプローチを紹介いたします。
① からし + マヨネーズ
最初の代用方法は、一般的なマヨネーズを使用するものです。からしに酸味と甘味のあるマヨネーズを混ぜ合わせると、マイルドな味わいが生まれ、粒マスタードに近づけることができます。量は好みに応じて調整してください。
② からし + 酢 + はちみつ
実際のマスタードの原料を、家庭にある調味料で代用する方法です。からしに対して、酢とはちみつを加えることで、酸味と甘味が生まれます。はちみつを用いたマスタードも実際に市販されているため、高い再現度が期待できます。酢とはちみつの量は少量で十分で、好みに合わせて調節しましょう。
このように、からしを粒マスタードの代用として活用するには、辛さに酸味と甘味を加えることがポイントです。これらのポイントを考慮した上で、からし以外で粒マスタードの代替品となるものをご紹介いたします。
粒マスタードの代わりになるもの
以下は、普通のマスタードを使って粒マスタードを代用するいくつかの方法です。
① マスタード + はちみつ（砂糖） + お酢で粒マスタードを代用
普通のマスタードをそのまま使用しても問題ありませんが、さらに粒マスタードに似せる方法があります。通常のマスタードには若干の辛さの違いがあるため、これを補うためにはちみつもしくは砂糖を加え、お酢を混ぜることで、粒マスタードに近い味わいに仕上げることができます。
② マスタード + 醤油 + ヨーグルトで粒マスタードを代用
肉や魚料理のソースとしての用途に適した代用法です。普通のマスタードに、少量ずつ醤油とヨーグルトを加えて混ぜ合わせていきます。これにより、普通のマスタードよりもコクがあり、料理にぴったりのソースが完成します。
③ からし + 塩 + 酢 + 砂糖 + ごま油
ソースに使用する代用法として、からしに酢と砂糖、塩を混ぜ合わせ、最後にごま油を加える方法です。ごま油の香ばしさが風味を豊かにし、粒マスタードに近い味わいに仕上げます。
④ マスタード + 酢 + 塩で粒マスタードを代用
この代用法は、サラダやマリネなどさっぱりとした料理に適しています。普通のマスタードに半量の酢を加え、少量の塩を足します。これにより、粒マスタードに似たサッパリとした風味が得られます。
⑤ からしマヨネーズで粒マスタードを代用
からしとマヨネーズを混ぜたからしマヨネーズは、粒マスタードに近い味わいを持っています。普段から使っている方や手軽に代用したい場合には、からしマヨネーズを利用すると良いでしょう。
手作り粒マスタードの作り方
粒マスタードの代用として紹介した方法に加えて、実際に自分で粒マスタードを作る方法もあります。ブラウンマスタードシードを使用することで、ペースト状のものでは再現できない粒の食感を楽しむことができます。以下は、簡単な手順です。
材料：
・ブラウンマスタードシード 50g
・はちみつ 小さじ1
・塩 少々
・お酢 適量
・保存容器
手順：
1. 水洗いしたブラウンマスタードシードを保存容器に入れます。
2. はちみつと塩を加え、お酢を入れます。お酢はマスタードシードがひたひたになるくらい入れましょう。
3. しっかり混ぜ合わせ、ふたを閉めたら冷蔵庫などの涼しい場所で一晩寝かせてください。
4. マスタードシードがお酢を吸って膨らんでいるはずです。水分が足りないようなら、お酢を追加しましょう。
5. 粒の固さを確認しながら、この作業を3～4日間ほど繰り返します。
6. 粒が潰れるほど柔らかくなったら完成です。
この手作りの粒マスタードは、ブラウンマスタードシードの風味と粒の食感が楽しめるものになります。ぜひ試してみて、お好みの風味や辛さに仕上げてみてください。
粒マスタードがない時に代わりになるものまとめ
今回は粒マスタードの特徴やマスタード・からしとの違い、そして粒マスタードの代用になるものについて紹介しました。
粒マスタードは、辛さに加えて甘味や酸味、そして独特の粒の食感が特徴的です。また、粒マスタードはマスタードよりも若干辛さが控えめとされています。
からしはその辛さが強いため、そのままでは粒マスタードの代用としては適しておらず、ひと手間加える必要があります。
普通のマスタードを使用することで、粒マスタードの代用が可能ですが、工夫次第でより粒マスタードに近い味わいに仕上げることができます。
また、粒マスタードを自分で作ることもできるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。自家製の粒マスタードで、独自の風味を楽しむことができます。
