デコポン、ポンカン、そしてみかん、これらの柑橘類には一体何が違うのでしょうか?
最近の柑橘は、せとかや甘夏、いよかんなど多くの種類があり、その違いや味の差に戸惑ってしまいますよね。果たしてデコポンと他の柑橘との違いは何なのでしょうか?味の違いはあるのでしょうか?どれが一番甘いのかも気になりますよね。
愛媛のみかんの国に住む管理人が、これらの柑橘を試食し、その感想を赤裸々にお伝えします。柑橘を購入する際や食べる際に、是非とも参考にしていただければ嬉しいです。
それでは早速、デコポン、ポンカン、みかん、せとか、甘夏、いよかんのそれぞれの違いについてご紹介していきます。
デコポンとポンカンとみかんの違い
ますます、デコポンとポンカン、そしてみかんの違いに迫りましょう。
まず、見た目の特徴から。デコポンは、みかんやポンカンよりも一回り大きく、そのヘタの部分がでべそのようになっています。温州みかんはポンカンとほぼ同じ大きさで、平べったい形をしていますが、ポンカンは全体的に丸くてゴツゴツしている印象です。見た目だけでは、みかんとポンカンが似ていることがありますが、デコポンには独自のデコがあり、見分けるのは比較的簡単です。
次に、手に取った感触です。デコポンはぷにぷにとした感触で、まるで水風船のよう。手で簡単につぶせそうな柔らかさです。温州みかんは小さくて手にしっかりおさまり、皮と実が少し離れているのが特徴です。ポンカンは温州みかんよりもやや硬めで、表面に少し凹凸があります。デコポンのぷにぷに感は、力を入れると壊れそうで、まるでくせになるような触り心地です。
そして、味の違いについて。デコポンはみかんやポンカンよりも甘みも酸味も控えめで、上品な味わいが広がります。口の中で実がほどけるような高級感があります。温州みかんは甘み、果汁、酸味のバランスが良く、総合的には食べやすさが際立ちます。一方、ポンカンは酸味が少なく(ほとんどないほど)、甘みが強調されています。果汁は少ないですが、ポンカン独特の美味しさがあります。
デコポンはそのお上品な味わいから多くのファンを魅了しています。一方で、甘みや酸味の控えめさから、味のパンチが足りないと感じる人もいます。しかし、多くの人はデコポンを高級なみかんとして認識し、その美味しさを堪能しています。
好みによりますが、酸味が好きなら温州みかん、逆に酸味が苦手ならポンカンがおすすめと言えそうです。
デコポンとせとかの違い
デコポンとせとか、どちらも高級柑橘として知られています。
せとかはその甘みが特徴であり、一方でデコポンは酸味も甘みも少ないという独自のプロフィールを持っています。
デコポンは春の柑橘として広く知られており、一方でせとかは冬の柑橘として楽しまれています。一般的に柑橘類は冬になると甘みが増す傾向がありますが、それに従ってせとかの方が甘いと感じられることが一般的です。
この特性がせとかファンに支持され、逆にデコポンファンはちょっとした酸味を好む方が多いようです。柑橘の異なる個性が、食べ手によって好みが分かれる面白さがありますね。
デコポンと甘夏の違い
デコポンと甘夏、これらの柑橘は旬の時期が異なります。
デコポンは3月から4月中旬にかけてが旬であり、対照的に甘夏は4月中旬以降が旬の時期です。
ただし、時期が少ししか違わないため、スーパーなどで同時に陳列されていることもよくあります。両者が同時に店頭に並ぶことで、消費者は春から初夏にかけて、デコポンと甘夏の両方を楽しむことができるのです。時期によって異なる柑橘の風味や甘みを味わうことが、柑橘愛好者にとっては楽しい魅力となっています。
デコポンといよかんの違い
デコポンといよかん、見た目からして異なる特徴を持っています。
まず、デコポンはヘタの部分が盛り上がり、でべそのような形状をしており、色合いは少し黄色みを帯びています。対照的にいよかんはオレンジ色で、ヘタの部分は平らであり、大きさはデコポンと同様ですが、特有の平たいフォルムが特徴です。デコポンはデコがあることから、他の柑橘との見分けが比較的容易です。
次に、手に取った感触です。デコポンはぷにぷにとしており、まるで水風船のような触り心地で簡単につぶせそうです。対照的にいよかんはどっしりとしており、重みを感じます。皮は分厚いが手でむくことができ、剥く際には皮の汁がたくさん飛び散ることがあります。持った感触もまったく異なり、デコポンは水風船のようであるのに対し、いよかんはボールに近い重みを感じます。
そして、味の違いについて。デコポンはみかんやポンカンよりも甘みも酸味も控えめで上品な味わいがあり、口の中で実がほどけるような高級感が漂います。対照的にいよかんは酸味がありつつ、それが甘さを引き立て、香りも高いです。実はプチプチとした感触があるが、豊かな果汁によって一層の甘みが感じられます。
両者を比べて食べると、デコポンの方が美味しいと感じるかもしれませんが、いよかんには独自の良さがあります。デコポンは毎日何個も食べたくなる味わいではない一方で、いよかんは大袋で購入して毎日3個ずつでも食べたくなる、といった楽しさがあります。
興味深いことに、デコポンは柑橘同士の掛け合わせによる品種改良の結果生まれたものであるのに対し、いよかんは日本の在来種。在来種でこれほど美味しい柑橘は、うんしゅうみかんといよかんだけなのです。
デコポンとポンカン、みかん、せとか、甘夏、いよかんの違い まとめ
デコポンは、みかんやポンカンなど他の柑橘類とは一線を画す特徴的な形状をしています。
たまにいよかんなどでデコがあるように見えるものもありますが、デコポンの場合はプクっとした形状が特有であり、これがあるかないかで見分けがつくため、間違うことはほとんどありません。
デコポンという名前は商標名で、家庭用になると「不知火(しらぬい)」という名前に変わります。これらは同じ柑橘の木から収穫され、外見の美しさや糖度の基準によってデコポンというブランド名が付けられています。
お手頃な価格で多くのみかんを楽しみたい方は、家庭用の不知火を試してみると良いでしょう。デコポンがおいしいのは確かですが、そこまで味に大きな差があるわけではなく、自宅で味が良ければ見た目が少々劣っていても問題ありません。
ですので、自宅で美味しく味わいたい場合は、不知火(しらぬい)を選ぶのもおすすめです。