「サンパラソル、毒性の噂は本当?」
「サンパラソルの育て方に興味があるけど、毒があるって聞いたことがあります。本当にそうなのか気になります」
サンパラソルを手に入れて育ててみたいと思っているけれど、毒性が心配な方もいることでしょう。
美しい花でも、もし毒があれば少し心配ですよね。でも、庭で育てている人もいるし、果たして本当に危険なのか気になります。
結論から言うと、サンパラソルには確かに毒性がありますが、適切な取り扱いさえ守れば安全です。
この記事では、サンパラソルが毒性を持っているのか、安全に育てるポイントは何かを解説します。
サンパラソルを育ててみたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
サンパラソルには毒性がある
サンパラソルには毒性があると言われており、元々はマンデビラと呼ばれる花を品種改良して生まれたもので、毒性のあるマンテビラの特徴が引き継がれています。
この記事では、サンパラソルの毒について詳しくまとめてみました。
まず、サンパラソルの毒の主成分はオレアンドリンです。オレアンドリンは非常に強い毒性を持ち、青酸カリを上回る致死量を有することで知られています。この成分はキョウチクトウにも含まれている毒成分の一部です。
サンパラソルのつるを切ると、切り口から白くべたべたとした乳液のような液体が出てきます。この液体が毒性を含んでおり、注意が必要です。サンパラソルの毒性はキョウチクトウほど強くはありませんが、体に触れるとかぶれや痒みが生じることがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
次に、サンパラソルの毒は経口摂取によって強い症状を引き起こす特徴があります。口から摂取すると吐き気、嘔吐、下痢、脱力感、めまいなどの症状が現れる可能性があります。絶対に口に入れないよう留意し、もし手に触れてしまった場合はすぐに水で洗い流すようにしましょう。
サンパラソルはキョウチクトウ科の花
サンパラソルはキョウチクトウ科の花で、全体に毒性がある特徴的な植物です。その他にも、以下に2つの主な特徴をご紹介します。
夏に咲く花:
サンパラソルは夏に咲く花で、高温に強く、直射日光にも負けません。花が咲くのは5~10月で、その期間中は花付きが良好です。サンパラソルは全体的に毒性がある植物ではありますが、花や葉の表面に毒は存在せず、触れてもかぶれることはありません。ただし、花がらを取る際には花茎から切ることで、毒性のある白い液体が手につかないように注意が必要です。
3つの花の種類:
サンパラソルの花には3つの主なタイプがあります。
サンパラソル: つるが伸びる前から花が咲くコンパクトなタイプで、つるは約1.5mほどしか伸びません。玄関などに飾りやすく、花が早く咲くのが特長です。
サンパラソルビューティー: よく伸びて分枝するタイプで、つるは約2m前後まで伸びます。支柱を使って絡ませて育て、美しい形を保ちます。
サンパラソルジャイアント: 約3mまでつるが伸び、大型で直径10~11cmの花が咲く大きなタイプです。ネットに絡ませて緑のカーテンなどに最適です。
これらの花のタイプは異なりますが、いずれもキョウチクトウ科の花であるため、毒性があります。つるや花茎を扱う際には十分な注意が必要です。
サンパラソルの毒は薬として研究されていたが素人は処方してはダメ
サンパラソルの毒成分であるオレアンドリンには、強心配糖体と呼ばれる物質が含まれています。かつてはこの物質を利用して強心剤や利尿薬としての研究も行われていました。
しかしながら、薬用としての使用量と毒性量の差がわずかであり、即座に致死量に達してしまうため、オレアンドリンを医薬品として利用することは困難でした。
キョウチクトウの葉にも同様のオレアンドリンが含まれており、これを服用したことによる中毒症例も報告されています。そのため、素人がこれらの植物を自己調剤したり服用したりすることは絶対に避けるべきです。毒性がある植物を誤った使用によって健康に悪影響を与える可能性があるため、慎重に取り扱うことが必要です。
サンパラソルの育て方
サンパラソルは毒性があるとは言え、普通に鑑賞するだけなら安全です。花が美しく、花付きがよく鮮やかな色彩を持つため、上手に育てて楽しむことができます。
以下では、サンパラソルの基本的な育て方をご紹介します。
乾燥気味に育てる:
サンパラソルは日光を好み、乾燥気味に育てることがポイントです。土が長時間湿ったままだと根腐れのリスクが高まるため、土が乾いたら根元に水をたっぷりと与えるようにしましょう。成長するにつれてつるが伸び、根も広がるため、土の乾き具合を定期的に確認し、水やりに注意が必要です。花に水がかからないように心掛けましょう。
支柱を立ててつるを巻かせる:
成長するつるを支柱に巻きつけ、立体的に育てるのが一般的です。植えつける際には、あらかじめ数本の柱を輪で留めた「あんどん」形の支柱を用意しておくと良いです。これにより、つるが巻き付いて上向きに成長します。
挿し木で増やす:
サンパラソルは株を分けて増やすことが難しいため、挿し木が一般的な増殖方法です。つるを5~10cmほど切り、赤玉土やバーミキュライトに植え込みます。挿し木を行う際には、切り口から出る毒性のある白い乳液に気をつけましょう。手に触れた場合は迅速に水で洗い流すようにしてください。
サンパラソルの毒性に気をつけて育てる3つのポイント
サンパラソルを安全に育てるためには、以下の3つのポイントに注意することが重要です。
体に触れないようにする:
サンパラソルのつるや花茎を切る際には、切り口から出る白い乳液に触れないように心がけましょう。剪定や花がら摘み、挿し木などの作業時には、ガーデニング用の手袋や軍手を着用することで手を保護できます。また、つるを切った後のハサミも白い乳液がついている可能性があるため、水でしっかりと洗浄することが必要です。
口から入らないようにする:
サンパラソルの毒性は口から摂取した際に顕著になるため、乳液が口に入らないように気をつけましょう。手入れをした後は、口に手を持っていかないように十分な注意が必要です。作業後は手をよく洗って、不注意な口への接触を避けましょう。
小さい子どもやペットに注意する:
サンパラソルの花や葉に直接触れてもかぶれることはありませんが、これらを扱った後に手で口や目を触ると危険です。特に小さな子どもやペットがいる場合は、彼らが触れないような場所で植えるか、注意深く管理することが必要です。ペットが食べる可能性がある場合も、特に警戒が必要です。
サンパラソルの毒性を正しく知って楽しく安全に育てよう
サンパラソルは夏になると勢いよくつるを伸ばし、鮮やかな花を多く咲かせ、その美しさでガーデニングの主役となります。
一方で毒性があるため、注意が必要ですが、適切な扱い方を知っていれば安全に育てることができる花です。毒に触れた場合には手を十分に洗浄するなどの対策を講じ、安心して楽しむことができます。
手入れの際には、ガーデニンググローブなどを利用して手を保護しながら、サンパラソルの栽培をお楽しみください。美しい花を楽しむとともに、安全に育てるための注意が大切です。