今回は、揚げ物においてクッキングシートの利用に焦点を当ててみたいと思います。
私は調理が苦手で、正直言って食べることに専念しています。揚げ物も好物でよくいただきますが、高級な料理はなかなか手が届かず、さつまいもの天ぷらが最高の贅沢といったところでしょうか。
揚げ物をする際には、油が飛び散り、手間がかかることもあります。そんな時に頼りになるのがクッキングシートです。クッキングシートを使用すれば、揚げ物がベタつかずに仕上がります。
油の量が多い場合、クッキングシートでは吸いきれず、油がお皿まで広がることがありますが、揚げ物自体はサラッとしており、あまりベタベタしません。
実際、私はクッキングシートを活用しており、かき揚げのレシピを見て驚きました。クッキングシートを使用して揚げることで、かき揚げがくっつかず、サラッとご飯の上に乗せることができるのです。
クッキングシートは高熱の油に耐えられるのか、最初は心配でしたが、実際に使ってみると問題ないことが分かりました。そこで、今回は揚げ物にクッキングシートを使用しても安心していいのかについて、私自身が調査した結果を共有したいと思います。
揚げ物でクッキングシートを使っても大丈夫な理由は紙の発火温度が高いから
揚げ物においてクッキングシートが安全に使用できる理由についてご説明します。
まず、紙の発火温度は約450℃ほどです。通常、紙は燃えやすいと思われがちですが、その温度に達しない限り燃えることはありません。揚げ物の際の油の温度は約200℃ほどであり、この温度では紙は発火しないため、安全に使用できるのです。
例えば、ライターやマッチの火の温度は実際には800℃から1000℃ほどあります。この温度でないと紙は燃えません。製造工程や塗工工程、印刷の際にも紙は高温にさらされることがありますが、それでも安全に使用されています。
また、紙の試験においても、オイルバスに入れて火ぶくれができるかを見るブリスター試験があります。この際のオイルの温度は高くとも約200℃ほどであり、この条件下でも紙は燃えないことが確認されています。
要するに、揚げ物の際の油の温度が約200℃ほどであるため、クッキングシートは安全に使用できるというわけです。
揚げ物にクッキングペーパーが便利な理由
これまで、揚げ物においてクッキングペーパーの耐熱性に問題がないことについてお話ししました。次に重要なポイントは、クッキングペーパーが表面にシリコーン加工されているという点です。
シリコーンと聞くと、女性の方ならシャンプーの成分を思い浮かべるかもしれません。シャンプーに含まれるシリコーンは、髪をすべすべにする役割があります。そして、クッキングペーパーにも同様のシリコーンの成分が使われています。これらのシリコーンは、水や油を寄せ付けずに表面をツルツルにする性質があります。
表面エネルギーという概念が登場しますが、これは表面がどれだけ液体をはじくかを示す指標です。その値が大きいほどはじきにくく、小さいほどはじきやすいです。以下は表面エネルギーの一例です（単位：mN/m）：
水： 73
油（石油・鉱油）： 25～30
シリコーン： 16～30
フッ素樹脂1（PTFE、フライパンなど）： 18
フッ素樹脂2（フッ素樹脂＋シリコーンコーティング）： 10～25
フッ素樹脂3（CF3の場合、実験室レベルでの最小値）： 6
ここで注目すべきは、シリコーン樹脂の表面エネルギーが水や油よりも低いことです。これが、液体がクッキングペーパーの表面を滑らかにはじく理由です。つまり、揚げ物をクッキングペーパーに置いても、サラッと取れるわけですね。
揚げ物にワックスペーパーは使えない
さて、クッキングペーパーが揚げ物に適しているのに対し、ワックスペーパーは使用することができません。ワックスペーパーは一般的にお菓子を包むのに使われ、耐油性があるためチョコレートやキャンディーの包み紙として便利に利用されています。
ただし、ワックスペーパーは揚げ物には向いていません。その理由は、ワックスが溶けるからです。ワックスペーパーは名前の通り、紙にワックスを含浸させたものであり、ワックスはろうそくなどで見られるものです。このワックスが溶ける温度は種類によって異なりますが、一般的には100℃以下の低い温度で溶けます。
ワックスが紙に染み込まれた状態で揚げ物の油の中に入ると、ワックスが溶けてしまいます。温度的にも成分的にもワックスが溶け出すため、染み込ませていたワックスが失われ、ただの紙となります。このため、ワックスペーパーはクッキングペーパーのようにサラッとはならず、揚げ物には不適しています。
ちなみに、ワックスペーパーのワックスはポリエチレンに近い性質を持っています。ポリエチレンラミネートの紙、例えば紙コップも同様に熱に弱いです。そのため、揚げ物の油の温度に耐えられず、軟化してしまいます。紙コップや牛乳パックでケーキを作る際にも、ポリエチレンが軟化する温度に注意が必要です。管理人としては、ケーキを焼く際にはクッキングシートを使用するか、ポリエチレンに注意して利用することをおすすめします。
管理人のまとめ
今回は、揚げ物においてクッキングシートの使用が安全かどうかについてお話ししました。
総括すると、クッキングシートは揚げ物に使用しても大丈夫です。一般的な揚げ物の温度では紙が燃える心配はなく、むしろ工夫次第で効果的に利用できるという結論に至りました。
また、シリコーンやワックスについても触れ、クッキングシートが表面にシリコーンを含んでいることにより、液体をはじく性質があることを説明しました。
料理は得意ではない管理人ですが、この記事が揚げ物でクッキングシートを利用する際の参考になれば幸いです。美味しい揚げ物の調理ができることを願っています！
