DTM初心者こそオーディオインターフェースを持つべき理由とは？

DTM初心者がオーディオインターフェースを導入すべき理由は至極シンプルです。一般的に、DTMを始めるなら、最初に手に入れるべき機材はオーディオインターフェースです。

オーディオインターフェースが欠かせない理由は、それがDTMのあらゆる局面で必要な中心的な機材だからです。単純に所有するだけで、DTMでの可能性が急拡大し、敢えて制約された機材を使う必要はありません。

オーディオインターフェースの存在によって、DTMで何ができるのか、またオーディオインターフェースがどのような機能を提供しているのか、考えていきましょう。

初心者こそオーディオインターフェースの必要性は高い

DTMの初心者がますます機材を増やす可能性がある場合、オーディオインターフェースを最初から導入することをお勧めします。

実際、オーディオインターフェースなしでも十分な範囲でDTMができますが、本格的にDTMを追求したいか、リスニング環境を向上させたいと考えるなら、将来のことを考えてオーディオインターフェースを購入する方が良いでしょう。価格もそれほど高額ではなく、一度購入すれば数年間は使用できる機材となります。

例えば、オーディオインターフェースがない場合、新しく録音したい楽器が登場した場合、DTM環境を再構築する必要があります。シンセサイザーを録音するにはもちろんのこと、USB接続ではなくオーディオインターフェースとXLR端子で接続できるマイクを使用すると利便性が向上します。

その理由は、オーディオインターフェースとUSB接続したマイクとでは入力デバイスが異なるためです。将来的に使いたい機材のためにも、最初からオーディオインターフェースを基にしたDTM環境を整えておくことが望ましいと言えます。

オーディオインターフェースのコストについて気になるかもしれませんが、実際には多くの場合、オーディオインターフェースにはDAW（DTMソフト）が付属しています。ライト版であっても、好みのDAWが決まっていれば通常版にアップデートすることができ、コストを抑えることができます。

DTMを始めるとなると必須なのがDAWなので、まだDAWを持っていない初心者こそ、実質的にお得にオーディオインターフェースを手に入れることができます。後ほど、おすすめのオーディオインターフェースと添付のDAWを表にまとめています。

オーディオインターフェースを使わずにできること

一方で、オーディオインターフェースを使わずにDTMを行うと、どの程度の範囲でDTMが可能になるでしょうか。簡単にまとめると以下の通りです。

・MIDIの打ち込み
・マイクでの録音
・スタジオモニタースピーカーでのリスニング

これら以外のことを考えている場合は、やはりオーディオインターフェースが必要だと考えるべきです。また、DAWの音源ライブラリやサンプリングの音源を使用して打ち込みができれば、オーディオインターフェースなしでも十分に楽しむことができるでしょう。

USB接続のキーボードを使用すればMIDI入力が可能ですが、キーボード単体では音が鳴らないため注意が必要です。これらの機材だけでも最低でも2つのUSB端子を使用することになりますので、PC・Mac本体の端子数は事前に確認しておくことが重要です。不足している場合は拡張ハブが必要になります。

そもそもオーディオインターフェースって何？機能や他の機材と比較

オーディオインターフェースを購入しようと考えている方にとって、オーディオインターフェースと機能が似ている他の機材との違いがわかりにくいことがあります。まず、オーディオインターフェースが持っている主な機能を確認してみましょう。以下は、最も一般的なモデルを例に挙げたものです。

オーディオインターフェースの機能:

・PC・Macとの接続: PC・Macに接続して入力・出力端子を増やす。
・DA変換: アナログ信号をデジタル信号に変換する。
・マイクプリアンプ: マイク等の小さい信号を大きくする。

オーディオインターフェースと混同しやすい機材として、ミキサーやDACが挙げられます。

次に、オーディオインターフェースとミキサーの最も大きな違いは、PC・Macとの接続が可能かどうかです。ミキサーとの違いを具体的にまとめると以下の通りです。

オーディオインターフェースとミキサーの違い:

オーディオインターフェース: PC・Macと接続可能だが、入力・出力数は多くない。様々な機能があり、マイクプリアンプも搭載。
ミキサー: PC・Macと接続できないが、入力・出力数は多い。マイクプリアンプを搭載し、多くの入出力と音量（ゲイン）調整が細かく可能。
ミキサーはオーディオインターフェースで足りない入出力の端子を増やすために使用されることがあります。これにより、PC・Mac→オーディオインターフェース→ミキサーという順番につなぐことで、入出力の数を一気に増やすことができます。

最後に、オーディオインターフェースとDACの違いについて考えましょう。DACは主にリスニング向けに最適化された機材で、DA変換（出力）が可能ですが、PC・Macへの入力端子はありません。対比して、オーディオインターフェースはリスニングだけでなく、楽器の録音（DTM）もできる機能があります。

オーディオインターフェースとDACの違い:

オーディオインターフェース: リスニングだけでなく楽器の録音（DTM）も可能。DA変換はできるが高機能なため品質はピンキリ。
DAC: リスニング向けに最適化され、出力のみでPC・Macへの入力端子は無い。
DTMに興味がない方でも、オーディオインターフェースを購入することをお勧めします。オーディオインターフェースは高品質なDA変換機能を持ち、リスニングだけでなく様々な用途に活用できるためです。

DTMにオーディオインターフェースが必要な理由

これまでの内容を踏まえて、オーディオインターフェースが必要な理由について考えてみましょう。DTM初心者にとっても、オーディオインターフェースを導入するべき理由は以下の3つに大別されます。

オーディオインターフェースが必要な理由:

楽器やマイクなど入力できる端子が増える:

オーディオインターフェースはPC・Macに接続し、フォーン端子やXLR端子、MIDI端子など、様々な入力端子を提供します。
楽器やマイク、MIDIキーボードなどを接続して音声を入力できます。
様々な音声が高音質で楽しめる:

オーディオインターフェースを介してスタジオモニタースピーカーやモニターヘッドホンを使用することで、高音質かつ正確な音声を楽しむことができます。
PC・Mac搭載のDA変換機能よりも高品質な音声を得られます。
音量を適切に調整できる:

オーディオインターフェースは音量調整が可能で、レコーディングやリスニング時に音量を適切に調整できます。
PC・Macの標準機能では難しい、細かい調整ができます。
これらの理由から、オーディオインターフェースを導入することで、DTM環境をより柔軟かつ高品質に構築できます。DTMにおいては、楽器やマイクなどの音源を高品質で扱うことが重要であり、オーディオインターフェースはその要件を満たすための重要な機材と言えます。初心者の方でも、最初からオーディオインターフェースを導入しておくことで、将来的な拡張や高品質な音楽制作に対応しやすくなります。

必要な機能を考えながらオーディオインターフェースを選ぼう

初心者の方がオーディオインターフェースを持つべき理由について考えてみましょう。

これまでの情報を通じて、オーディオインターフェースが果たす役割やその重要性について考えてきました。オーディオインターフェースを所有することは、音楽制作やDTMの世界で大きな利点をもたらすことが明らかです。では、初心者の方がどのような機能や仕様のオーディオインターフェースを選ぶべきかについて考えてみましょう。

オーディオインターフェースを選ぶ際に最も重要なのは、自分のニーズに合った機能を選ぶことです。初心者の方がオーディオインターフェースに必要な主要な機能は次の通りです。

必要な機能を選ぶことで、高価なモデルを購入しなくても効果的に活用できます。1万円代のモデルでも性能と品質は十分であり、以下にいくつか詳しく説明します。

入力端子と出力端子の数についてはあまり心配しなくても大丈夫です。オーディオインターフェースは、同じシリーズでも入力や出力の数が異なるモデルが存在します。入出力の数が多ければ多いほど、同時に接続できる機器が増えますが、それに伴い価格も上がります。ですが、入出力端子の数にこだわる必要はありません。たとえば、FocusriteのScarlettシリーズでは2INと8INのモデルの価格差がありますが、ミキサーを別途購入することで音声調整の機能も手に入ります。したがって、入出力端子の数よりも他の要因を優先させることをお勧めします。

インターフェースの接続端子（USB）の種類に注意しましょう。オーディオインターフェースはコンピューターに接続する必要があるため、USBの種類を考慮することが重要です。例えば、MacユーザーはUSB-C接続が安定して動作することがあります。私自身もMacユーザーであり、FocusriteのScarlettシリーズを愛用しています。USB-C端子をサポートしているため、変換ハブを使用せずに問題なく接続できます。

制作する音楽のジャンルや配信目的に合わせて選択肢を絞りましょう。すでに自分のやりたいことが明確であれば、必要な機能が含まれているかどうかを確認することが大切です。配信をメインにする場合、ループバック機能やマイクプリアンプ機能が必要です。また、特定のDTMソフトを使用する場合、オーディオインターフェースに付属のDAWソフトウェアにも注意を払いましょう。用途に応じて最適な機能を備えたモデルを選ぶことが賢明です。

最後に、定番のモデルを選ぶことをお勧めします。定番のモデルは、コストパフォーマンスに優れており、長期間にわたり信頼性があります。アーティストたちもスタジオで使われているスピーカーや機材を選ぶことが多く、これらの定番モデルは長く愛用されています。また、初心者の方がオーディオインターフェースを購入した後、使わなかった場合でも売却できる可能性があるため、経済的な選択とも言えます。

以上のポイントを考慮して、初心者の方にとって最適なオーディオインターフェースを選んでください。音楽制作やDTMの世界をより楽しむために、適切な機器を選ぶことが大切です。

DTM環境を一気に広げるのがオーディオインターフェース

オーディオインターフェースを使用しなくても、DTMをシンプルに楽しむことはできます。しかし、新たに機材を導入し、音楽制作の世界を探求していく初心者の皆さんにとって、オーディオインターフェースは最初から持つべきアイテムだと考えています。

DTMを始めたいという初心者の方にも、音楽制作の幅を広げたい方にも、オーディオインターフェースは非常におすすめです。DTM初心者であっても、必要な機能や使いたいDAWを事前に考えておけば、コスト効果の高い機材として活用できることは間違いありません。