赤ちゃんのミルクを用意する際に、電気ケトルを使用してお湯を沸かすことがなぜおすすめでないのかについて、ご説明いたします。
目次
ミルクは電気ケトルで沸かしたお湯はだめな理由
電気ケトルで沸かしたお湯が赤ちゃんのミルク作りに適さない理由は、水道水内のカルキやトリハロメタンなどの不純物を取り除けない可能性が高いからです。電気ケトルでは、沸騰までの時間が短いため、カルキやトリハロメタンが完全に除去されずに残ることがあります。
水道水内のカルキやトリハロメタンは、通常、健康な大人にとっては問題ない量ですが、赤ちゃんの小さな体には負担となる可能性があります。カルキは水道水内の病原菌を殺菌するために必要な物質ですが、同時にタンパク質を分解する性質があり、これが赤ちゃんの消化器官を刺激し、下痢を引き起こすことがあります。また、トリハロメタンは発がん性があるとされており、赤ちゃんの免疫力が低いためできるだけ避けるべき物質と言えます。
一方で、電気ケトルで沸かしたお湯が高温であることについては問題ありません。ミルクの栄養が壊れる心配は不要で、粉ミルクの缶にも特定の温度以下である必要性が記載されていないことがあります。ミルクは一定の温度で製造され、哺乳瓶にお湯を注ぐ際には若干冷めることを考慮していますので、温度に関しては安心してください。
赤ちゃんのミルク作りに適したお湯の作り方
ミルク用のお湯は、蓋を外したやかんや鍋に入れた水道水を、10分以上沸騰し続けて作ります。この10分以上の沸騰が重要な理由は、トリハロメタンという物質が水温が高くなるにつれて濃度が増していく性質を持っているためです。
トリハロメタンは水を沸騰させてから5分後くらいが濃度が最も高まり、その後10分くらいで蒸発していくのです。したがって、十分以上の沸騰時間が推奨されています。電気ケトルや電気ポットは通常短時間で沸騰させるため、トリハロメタンの濃度が増加してしまう可能性がある点に留意する必要があります。
また、沸騰させたお湯は保存がきかないという点も重要です。一度沸騰させたお湯は菌が繁殖しやすく、衛生的でなくなる可能性があります。そのため、ミルクを作るたびに新しくお湯を準備することが推奨されます。
電気ポットや調乳ポットのデメリット
電気ポットや調乳ポットも、10分以上沸騰を維持することが難しいため、これらの機器ではカルキやトリハロメタンを完全に除去することが難しいです。
一部の機器にはカルキ抜き機能が備わっているものもありますが、残念ながらトリハロメタンに対しては十分な対策ができていないことがあります。これらの物質は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、特に赤ちゃんにとっては注意が必要です。
また、一般的には調乳時には70度以上のお湯を使用するよう勧められています。しかし、お湯を哺乳瓶に注ぐと温度が10度以上下がることがあり、70度に設定していたお湯を使用すると雑菌が除去されきっていない可能性があります。
粉ミルク内には赤ちゃんの生命を脅かす可能性のあるサカザキ菌などが混入していることも考慮に入れ、確実に70度以上のお湯で粉ミルクを溶かすよう心掛けましょう。
電気ケトルや電気ポットをミルク作りに使うための解決策
浄水器を通した水道水や赤ちゃん用の水を使用すれば、カルキやトリハロメタンなどの不純物が取り除かれ、沸騰時間が短い電気ケトルや電気ポットでも安心して赤ちゃんのミルクを作ることができます。
ただし、このような水は雑菌が繁殖しやすい性質があるため、ミルク作りの都度、必ず沸騰させるようにしましょう。安全で清潔なお湯を手軽に得る方法として、ウォーターサーバーが適しています。
電気ケトルや電気ポットは速くお湯を沸かすことができますが、不純物を完全に取り除くことが難しいため、一度沸騰させたお湯は保存が難しく、都度沸かす手間がかかります。一方で、ウォーターサーバーは赤ちゃんに安心して飲ませることができるお湯と水を簡単に提供してくれます。
ミネラルが多い水は赤ちゃんには負担となることがありますが、特に赤ちゃん向けの水が提供されるウォーターサーバーも存在します。時間を節約しつつも、赤ちゃんの安全性を考慮したい場合、ウォーターサーバーは便利で早く安全なミルクを作る手段となります。
まとめ
電気ケトルや電気ポットは手軽に利用できるため、多くの人に愛用されていますが、ミルク作りには向かない理由があります。
これらの機器は沸騰時間が短く、不純物を完全に取り除くことが難しいため、特にトリハロメタンのような物質は逆に短時間の沸騰で濃度が高まる可能性があります。
電気ケトルやポットを使用する場合は、水道水ではなく、すでに不純物が取り除かれた水を選ぶか、ウォーターサーバーを利用することをお勧めします。ウォーターサーバーを使用すると、急いでお湯を沸かす必要がなく、泣いている赤ちゃんを待たせずに済みます。
赤ちゃんの身体を最優先に考えながら、できるだけストレスなくミルクを作る方法を選び、育児に余裕をもって取り組むことが大切です。