皆さん、「ヤマモモ」という果物をご存知でしょうか?この果物は、写真のように赤くて粒状のボコボコとした突起が特徴的です。
最近では、生産者の減少や収穫時期の短さから、スーパーなどで見かける機会が少なくなりました。しかし、その甘酸っぱい味わいとフルーティーな香りを楽しむことができるヤマモモについて、詳しくご紹介いたします。
ヤマモモの実は毒性がある?
道端に生えているヤマモモの実は、緑色から赤色、赤黒い色まで、成長過程でさまざまな色合いの実を見ることができます。
特に赤黒くなった実は、その色からして毒味がありそうですね。しかし、実際のところ、ヤマモモには毒性はありません。緑色や赤色の実は完熟しておらず、酸味が強いです。
したがって、熟していない実を食べる場合は、生食ではなく、ジャムやシロップなどに加工することがお勧めです。また、ヤマモモの実を食べる際には、下処理の段階で注意が必要です。ヤマモモは無農薬で栽培されているため、虫の侵入の可能性があります。
この虫は主にショウジョウバエの幼虫であると考えられています。生食や加工にかかわらず、実を食べる前には塩水に1時間ほど漬け、その後水で洗い流してから食べるようにしましょう。
生食の場合は、その後1時間ほど冷蔵庫で冷やすと、より美味しく味わえますよ。これらのポイントに気を付けることで、安全かつ美味しくヤマモモを楽しむことができます。
ヤマモモの成分
ヤマモモは、甘味と酸味のバランスだけでなく、健康や美容にも寄与する豊富な栄養成分を含んでいます。
まず、その深い赤色を作り出しているのが、アントシアニンと呼ばれる色素成分です。ヤマモモに多く含まれるアントシアニンは、ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を備えています。
人体はエネルギー生成の過程で活性酸素を生成しますが、この活性酸素が老化やシミ、しわ、生活習慣病、がんなどの病気を引き起こすと言われています。抗酸化物質を含む食物を摂ることで、生活習慣病やがんの発症を防ぐのに寄与します。
アントシアニンには病気の予防だけでなく、老化や肌の美容にも効果が期待されるため、男女ともに積極的に摂取したい栄養素と言えます。
さらに、ヤマモモには体や脳を活動させるためのエネルギー源となる成分であるブドウ糖が豊富に含まれています。体内でブドウ糖が不足すると、疲れやストレスを感じやすくなります。同時に、酸味をもたらすクエン酸も含まれており、これは細胞の酸化を抑える効果があり、疲労回復や老化防止にも寄与します。ヤマモモはエネルギー供給と健康促進のために優れた食材と言えます。
ヤマモモの食べ頃
スーパーで販売されているヤマモモは、食べ頃のものが広く出回っていますが、実は成長段階によってその色が変化していくことをご存知でしょうか?
一番美味しく食べられる時期について、詳しく掘り下げてみましょう。
ヤマモモは3月から4月に受粉し、春になると鮮やかな赤い花が咲き誇ります。そして、6月中旬に実が完熟し、7月中旬までの約1ヶ月間が食べ頃とされています。
ただし、食べ頃の期間が1ヶ月ほどと短いため、スーパーなどで見かける機会が少ないことも理解できます。この短い期間に収穫されること、梅雨の時期に収穫が行われること、そして実の傷みが早く日持ちしないことから、「幻の果物」とも呼ばれているのです。
また、最近では収穫目的だけでなく、街路樹として観賞されることも増えています。ヤマモモの木は成長段階によって実の色が変化する特徴があり、それが観賞の一環として楽しまれています。
ヤマモモの味とは
ヤマモモは、さくらんぼやラズベリーのように、爽やかな甘みと酸味のバランスが絶妙な果物です。ただし、完熟前は非常に酸っぱいため、完熟後に食べることをお勧めします。
完熟前のヤマモモは赤色をしており、赤黒い完熟した状態でないと、その酸味が強く感じられます。また、加工して食べる場合でも、未熟なものや熟れ過ぎてしまったものを使用すると、実が早く傷んで長く保存することが難しくなります。
一方、完熟後のヤマモモは赤黒い色をしており、これが完熟のサインです。生のままでも美味しいですが、ジャムやシロップ漬けにしても、独特の風味を楽しむことができます。ヤマモモにはブドウ酸とクエン酸が含まれているため、少し疲れたと感じる時には、疲労回復やストレス緩和に効果的です。
ジャムやシロップ漬けに加工することで、手軽に日常的に楽しむことができるので、ぜひお勧めします。
まとめ
ヤマモモは昔は現在よりもずっと広く流通していたため、幼い頃に食べていた世代の方にとっては懐かしい味を感じることでしょう。
しかしながら、現在ではスーパーでの出回りが稀な果物となっています。ですので、もしスーパーで見かけた際には、ぜひ一度試してみてくださいね。その味わいは、昔懐かしいだけでなく、新しい発見や感動も与えてくれることでしょう。ヤマモモの美味しさを再発見することができるかもしれません。