猫じゃらし（エノコログサ）の美味しい食べ方についてお伝えします。
一見野草のように見える猫じゃらしも、実は食用として楽しむことができる食材なのです。では、どのようにして美味しく食べることができるのか、ご紹介します。
猫じゃらしってどんな植物？
猫じゃらし、または正式な和名であるエノコログサは、道端や空き地などでよく見かける身近な植物ですが、詳細な特徴や情報を知らない方も多いことでしょう。そこで、エノコログサがどのような植物なのかについて詳しく見てみましょう。
イネ科の一年草
エノコログサは、イネ科に属する一年草で、その生育期間は春から秋にかけてです。この植物はユーラシア大陸に起源を持ち、農耕が普及する過程で日本にも導入されました。現在、日本国内では北海道から九州まで広く分布しています。エノコログサは特徴的な穂（穂花が集まる部分）を形成し、他の雑草と容易に識別できます。ただし、エノコログサには変種や似た種が多く存在し、日本で主に見られるのはエノコログサ（Setaria viridis）とアキノエノコログサ（Setaria faberi）の2つの種類です。その他にも、ハマノエノコログサと呼ばれる海岸に生える変種や、キンエノコログサ（Setaria pumila）という、赤や黄色に近い色の毛が生えるバリエーションも存在します。
エノコログサの穂は比較的短く、直立しており、長さは約5～6cmほどです。一方、アキノエノコログサは草丈が高く、穂の長さもエノコログサよりも約10cmほど長い特徴があります。夏になると、穂が出現するため、アキノエノコログサとエノコログサを見分けるのは難しくなりますが、秋になるとアキノエノコログサの穂が下向きに垂れ下がる傾向があり、この時期になると区別がしやすくなります。
エノコログサの名前の由来
エノコログサの名前の由来については、複数の説が存在しますが、中でも根強い説が次の通りです。
エノコログサの名前は、漢字で「狗尾草」と書かれます。この中で「狗（えのこ）」は、子犬を指す漢字で、元々は「犬の子」という意味でした。この言葉が次第に変化し、「えのころ」となったと考えられています。
では、なぜエノコログサという植物が「狗（えのこ）」という字を含む名前で呼ばれるのでしょうか？その理由は、エノコログサが特徴的なふさふさの穂を持っていることに由来しています。この穂が、子犬のふさふさの尾に似ていることから、植物に「狗尾草」という名前が付けられたのです。実際、室町時代には既に「狗尾草」と呼ばれていたとされています。
「猫じゃらし」は関東地方の呼び名？
エノコログサには、地域によって異なる呼び名が存在します。現在、エノコログサよりも一般的な呼び名は「ネコジャラシ」または「猫じゃらし」ですが、これは主に関東地方で使用される呼び名のようです。
「猫じゃらし」という名前は、猫がこの植物の穂を見ると興奮し、じゃれることに由来しています。実際、市販の猫のおもちゃの中には、エノコログサに似た形状のものが多くあります。現代では、さまざまな種類の猫のおもちゃが存在しますが、シンプルな植物の「猫じゃらし」はまだ多くの猫たちに愛されているようです。
猫が猫じゃらしを食べても大丈夫？
猫じゃらしは、人間が摂取しても安全な植物ですが、猫が食べても大丈夫でしょうか？多くの猫は猫じゃらしに興奮し、遊んだり穂を噛んだりすることがありますが、その安全性について心配する飼い主もいます。
結論から言えば、猫じゃらしには猫に有害な物質は含まれておらず、猫が食べても問題ありません。実際、猫草として知られる植物は、猫が好んで摂取するもので、特にイネ科の植物が多いです。代表的なものは「燕麦（エンバク）」と「猫じゃらし」です。
猫じゃらしを食べる猫は、食物繊維や栄養素を摂取しようとしている可能性があります。ただし、猫が大量に猫じゃらしを食べると、消化器官に負担をかける可能性があるため、過度な摂取は避けるべきです。また、猫じゃらしを提供する際には、清潔なものを使用し、安全な遊びを楽しませてあげることが大切です。
