酸味と甘みが絶妙で美味しいキウイフルーツ、我が家では朝食や夕食後のデザートに頻繁に取り入れています。最近ではお店でゴールドやレインボウなど様々な種類も楽しめ、年中手に入りやすい食材となりました。しかし、この魅力的なキウイにはアレルギーを引き起こす可能性があることをご存知でしょうか。
これまで何の問題もなく楽しんでいた方もいるかもしれませんが、実は果物の中でもキウイアレルギーの発生率は最も高いのです。学校の給食でキウイを摂取した子供たちが集団で腹痛を訴え、アレルギー症状だったという事例も報告されています。一般的に口のかゆみやしびれが最も一般的な症状として知られていますが、中には腹痛といったより深刻な症状を引き起こすこともあるのです。
そこで今回は、キウイアレルギーによる腹痛の原因や予防方法に焦点を当て、それについてご紹介いたします。
キウイアレルギーで腹痛は起きる?主な症状と危険性について
キウイアレルギーの典型的な症状は以下の通りです。
キウイアレルギーの症状
口の中のかゆみ
唇のしびれ
喉のイガイガ感
口の中や唇の腫れ
吐き気
腹痛
下痢
さらに、キウイフルーツに触れた手や果汁の付いた部分にじんましんが現れ、激しいかゆみを引き起こすこともあります。一般的に、キウイを摂取してから約15分でかゆみが現れ、症状が進行すると吐き気や腹痛などの消化器症状が出現します。
腹痛や下痢が発生する場合、アレルギーだけでなくクエン酸も原因となる可能性があります。キウイフルーツにはクエン酸が豊富に含まれており、これが腸を刺激して腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
近年、キウイの摂取が増加すると同時にキウイアレルギーの発生率も上昇しています。キウイアレルギーは重篤なアナフィラキシーショックを引き起こすことがあるため、注意が必要です。
アナフィラキシーショックとは?
全身で同時にアレルギー症状が現れ、血圧の急激な低下や意識障害などを伴う重大な状態です。
キウイフルーツを摂取してかゆみなどの異常を感じた場合は、早めに医師の診察を受けて症状の進行を防ぐようにしましょう。
キウイアレルギーの原因は何?
キウイアレルギーの主な原因は、たんぱく質分解酵素であるアクチニジンです。緑色のキウイフルーツに多く含まれており、ゴールドキウイやレインボウキウイにはわずかにしか含まれていません。
アレルギーのある方にとっては、特に緑色のキウイフルーツには十分な注意が必要です。ただし、ゴールドキウイやレインボウキウイにもアクチニジンが全く含まれていないわけではないため、絶対的な安全性は保障されていません。
アクチニジンってどんな物質?
キウイを切ると、手がヌルヌルとした感触がします。これがアクチニジンが存在する証拠です!
アクチニジンはたんぱく質分解酵素であり、キウイを触った手の表面がわずかに溶け出す現象が起きます。同様に、パイナップル、パパイヤ、メロン、いちじくなどもアクチニジンを含んでいます。
キウイアレルギーのある方は、これらの果物を摂取する際も同様のアレルギー症状に注意が必要です。
キウイアレルギーを予防するにはどうすればいい?
アクチニジンがキウイアレルギーの主な原因であることは理解しましたが、予防方法はどのようになるのでしょうか?
酵素は通常、熱に弱い性質を持っています。そのため、あらかじめ加熱して作るジャムやコンポートなどでは、アクチニジンが原因のアレルギーを引き起こしにくくなります。
また、アクチニジンは酸にも弱い性質を持っています。一旦胃に入ると、強い胃酸によってその力が失われます。しかし、不思議なことに、なぜアクチニジンに弱いにもかかわらず、アレルギーが起こり腹痛につながるのでしょうか?
通常、胃は粘膜によって保護されていますが、ストレスや体調不良によって胃の粘膜が荒れたり障害を受けたりすると、アクチニジンの影響が現れる可能性があります。
自身の体調にも気を付け、キウイフルーツの摂取方法を工夫することがアレルギーの予防に重要です。特に腹痛などの重篤なアレルギーはできるだけ避けたいものです。
補足として、医療機関でよく使用される使い捨てのゴム手袋に含まれるラテックスは、アクチニジンと非常に似た構造を持っています。
ゴム手袋を着用して処置を受けることでラテックスアレルギーが発生する方は、構造の類似性からキウイアレルギーも引き起こす可能性があります。
この現象はアクチニジンを含む食品全般に言えるものであり、キウイ以外でもパイナップル、アボカド、マンゴーなどでもアレルギーが発生する可能性があります。
同様に、花粉症の方も花粉に含まれるアレルゲンの構造がアクチニジンと似ているため、キウイアレルギーを引き起こすことがあります。
以上が、キウイアレルギーによる腹痛がどのように発生し、予防する方法についての紹介です。この情報がキウイアレルギーの予防にお役に立てれば幸いです♪