冷凍できるパンとできないパンの違いは、主に材料にあります。水分が多い野菜や生のフルーツが使用されている場合、冷凍は避けるべきです。
条件さえクリアできれば、殆どの種類のパンは冷凍保存が可能で、そのままの美味しさを保つことができます。
ただし、冷凍や解凍の際には慎重でなければなりません。不適切な方法で行うと、手間暇かけて手作りしたパンが台無しになることもあります。
そこで今回は、冷凍できるパンとできないパンの違いや、正しい冷凍・解凍の手順をご紹介します。
冷凍保存の日持ちやポイントについても詳しく解説していますので、ぜひこれを参考にしてください。
冷凍できるパンとできないパンの違いは具材
パンの冷凍可能性の決め手は、具材の選択にあります。
例えば、水分が多いトマトや冷凍すると食感が変わるじゃがいも、生の素材は冷凍不適切です。
手作りの美味しいパンが余ってしまってもったいないですよね。
そこで、冷凍可能なパンとそうでないものを見分ける方法を簡単にご紹介します。冷凍可能なパンの特徴を挙げてみました。
【冷凍可能なパンの例】
・食パン
・ロールパン
・フランスパンなどハード系
・ベーグル
・イングリッシュマフィン
・デニッシュ系
・菓子パン(メロンパンやクリームパン)
・惣菜パン(カレーパンやピザパン)
特に、しっかりした食感のパンやシンプルな素材のものは、冷凍しても味が損なわれにくいため、おすすめです。
ただし、クリームパンには要注意です。ホイップクリームが入っているクリームパンは、解凍後に水分が出やすく、ベチャッとなる可能性があるため、冷凍はできるものの慎重に扱う必要があります。
一方で、厳密に言えばどのパンも冷凍可能ですが、水分の多い具材や冷凍すると品質が損なわれる素材、生ものは避けるべきです。以下に冷凍に向かない具材を挙げておきます。
【冷凍に不向きなパンの具材】
・マヨネーズ系
・生クリーム系
・じゃがいも(マッシュポテトはOK)
・ゆで卵(つぶしてあればOK)
・生の野菜やフルーツ
・生でなくても水分の多い具材
マヨネーズや生クリームは解凍すると水分が多くなり、パンがベチャベチャになる可能性があるため、冷凍は避けた方が良いでしょう。量が少ない場合でも注意が必要ですが、多量に使用されているパンは避けることが安全です。
また、水分が多い具材(フルーツやトマトなど)やじゃがいも、ゆで卵の白身は冷凍すると食感が変わるため、総菜パンを冷凍する際には特に気を付けましょう。
冷凍できるパンの保存期間は基本的に2週間~1ヶ月程度と考えて良いですが、美味しさを保つためには以下の条件が必要です。
・購入後できるだけ早めに冷凍する
・冷凍に適した具材のパンを選ぶ
・正しい方法で冷凍する
なお、冷蔵状態ならば翌日まで美味しさを保てますが、風味は徐々に失われていくため、余裕があれば早めに冷凍することをお勧めします。
パンを上手に冷凍する方法は?
次に、上手にパンを冷凍する方法をご紹介します。
冷凍可能なパンと不可能なパンを仕分けたら、正しい手順で冷凍すれば美味しさを保つことができます。
パンを一個ずつラップに包む:
まず、冷凍するパンを一つずつラップで包みましょう。その後、ジップロックなどのフリーザーバッグに入れ、二重にして乾燥を防ぎます。パンと包装の隙間をできるだけなくすようにすると、余分な霜がつくのを防ぎます。この「ラップ」と「フリーザーバッグ」の組み合わせが、パンの匂い移りや冷凍焼けを防ぐのに役立ちます。市販のパンは、そのままの包装のままジップロックに入れて冷凍してもOKです♪
急速冷凍する:
パンを冷凍する際は、できるだけ急速冷凍を心がけましょう。冷凍庫に急冷機能やステンレス底面がある場合は、ぜひそれを活用してください。100均などで入手可能なステンレスバットにパンを置いて冷凍するのも簡単です。ステンレスバットは肉や魚を冷凍する際にも使いまわせますし、急冷機能と同じく早く凍るので、1つ持っていると何かと便利です。
パンを冷凍するときの注意点
続いて、パンを冷凍する際の重要なポイントについて解説します。これらの注意点に気を付ければ、美味しさを損なうことなくパンを冷凍保存できます。
買ってすぐに冷凍する:
食べきれないパンは、できるだけ早く冷凍保存しましょう。時間が経つと、パンから水分が抜けて乾燥が進んでしまいます。焼きたてのパンを冷凍する場合は、完全に冷めてから冷凍するようにしましょう。
しっかり密封する:
パンをラップで包む際には、しっかりと密封することが重要です。すき間を無くして空気が入らないようにすると、パンの乾燥を防ぐことができます。しっかり密封すれば、パンが冷凍焼けしにくくなり、風味も損なう心配がありません。霜も付きにくく、解凍時にべちゃっとなりにくくなります。
小分けにして包む:
大きなパン(フランスパンや食パンなど)は、カットして小分けにしてラップで包みましょう。スライスしてから冷凍すれば、必要な分だけ取り出しやすく、後からの利用が便利です。パンのサイズが小さいと密封がしやすく、冷凍庫での乾燥もしにくくなります。例えば、ベーグルは横半分に切って冷凍すると、後でベーグルサンドを簡単に作ることができます。
冷凍パンを美味しく解凍する方法
冷凍パンを美味しく解凍する方法はいくつかありますが、その中でも最もおすすめなのは「自然解凍+トースター」の組み合わせです。
自然解凍:
冷凍パンを美味しく解凍するには、まず自然解凍がおすすめです。特に菓子パンの場合は、冷蔵庫に移して自然解凍すると美味しく食べられます。もちろん、パンを常温に置いて自然解凍してもOKですが、水が付きやすいので、前の晩に冷蔵庫へ移すとより美味しくなります。
トースターで解凍:
自然解凍したパンをオーブントースターで温めると、焼き立てパンのように美味しくなります。香ばしさが増し、外はカリッと、中はふんわりとした美味しいパンに仕上がります。ただし、冷凍パンをそのままオーブントースターで加熱すると、中が凍ったままになるリスクがあるため、事前に解凍しておくことが重要です。特に菓子パンは糖分が多く焦げやすいので、途中でアルミホイルをかぶせるなど調節してください。
電子レンジで解凍:
もっとスピーディーに解凍したい場合は、電子レンジを使った方法があります。朝ごはんの準備がない時などに便利です。ただし、電子レンジで過剰に加熱するとパンがパサつく可能性があるため、注意が必要です。電子レンジで少し解凍した後、トースターで焼き直す方法もおすすめです。
パンを冷凍保存するメリット
パンを冷凍保存するメリットはたくさんあります。
好きなタイミングで食べられる:
冷凍したパンは、自分の好きなタイミングで食べることができます。朝が忙しい時や小腹が空いたときなど、急な食事にも対応可能で便利です。
美味しいまま長期保存可能:
冷凍によってパンの美味しさが損なわれることなく、長期間保存できます。連休や夏休みの朝ご飯など、いつでも美味しいパンが手軽に楽しめます。
節約になる:
食べきれなかったパンを冷凍保存することで、無駄なく利用できるため、節約になります。パンの無駄を出さずに済むのは、経済的で環境にも優しい方法です。
冷凍保存は食品ロスの軽減や生活の利便性向上に貢献し、賢い食材の活用方法の一つと言えます。
まとめ
この度は、冷凍可能なパンとそうでないパンの相違点や、美味しさを維持するヒントについてご紹介いたしました。
手に入れたばかりのパンが多くて食べきれない場合や、つい買い過ぎてしまったパンも、冷凍すれば美味しさを保ちながら長期保存が可能です。
総菜パンや菓子パンなど、お好みの種類のパンを冷凍して、美味しくかつ賢く節約する方法をお試しくださいね♪