タクシーの利用時、お支払いの際に、「お釣りは結構です」とか「おつりはそのままで」といった言葉を聞くことがあります。私たち利用者にとっては、その対応に戸惑うこともあるかもしれませんが、実はこれは一つのマナーであり、タクシー運転手にとってはありがたい配慮なのです。
また、日本国内ではサービスに対してチップを渡す習慣はあまり一般的ではありませんが、お釣りに関しては別。時折、1,000円から3,000円ほどの心付けがあることもあります。これは運転手にとっては重要な収入源であり、感謝の意を示す手段でもあります。
では、良質なサービスを受けた場合、お釣りやチップを渡す際の相場はどれくらいなのでしょうか？ここでは、タクシー運転手に対する「お釣りやチップ」の相場について詳しく解説していきます。
目次
タクシー運転手にとって「釣り銭をいただく＝チップ」
前述の通り、お客様がお支払いの際に「お釣りはとっておいて」と言って降車されることは、タクシー運転手にとって非常にありがたい瞬間です。
このお釣りは、運転手の手取り収入に直結します。要するに、「チップ」をいただくことと同義です。
言葉の定義として、「チップ」は、規定料金とは別に、サービスを受けたことに対して心付けとして渡す現金のこと（ウィキペディア引用）を指します。ただし、この記事では便宜上、前述の釣り銭も含めて、「チップ」として扱います。
タクシー運転手へのチップの相場はいくらか？
まず、国内でのタクシー運転手への手渡しチップの相場について解説します。
「釣り銭とっておいて」の場合、相場は10円から数百円まで幅広く、具体的な金額はメーター料金によって異なります。例えば、ワンメーター料金が￥570で、お釣りを取っておいてと言われた場合、千円札1枚出されて釣り銭￥430いただくこともあれば、メーター料金が￥2,090の場合には千円札2枚と100円玉1枚でお釣りはいいですと言われ、釣り銭￥10をいただくこともあります。
次に、「チップ」の相場についてです。タクシー運転手への手渡しチップや心付けの相場は、一般的に￥1,000から￥3,000程度が一般的です。お釣りに加えて千円札1枚いただくこともあれば、時折貸切の仕事を受けた場合には、謝礼として￥2,000から￥3,000程度を封筒やポチ袋に入れていただくこともあります。
最後に、お客様からいただいたチップの最高額についてのエピソードをお伝えします。管理人が経験した中で最高のチップは、形式的には「釣り銭取っておいて」という形でしたが、お客様が￥6,500を差し出してくれたことがありました。
50代のビジネスマンで、電車で酔って寝過ごし、急行の停まらない駅でタクシーを呼んだ際、管理人が無線で呼ばれ、お迎えに行きました。結局、メーター料金￥3,500程度の高額な料金にもかかわらず、お客様は「これで結構です」と言って一万円札を差し出し、その中から￥6,500をチップとしていただきました。お宅は豪邸で、その瞬間は喜びと同時に複雑な気持ちにもなりました。
タクシー運転手にチップを手渡した方がいい2つのケース
運転手の立場から見ると、特定の状況ではお客様からのチップ（心付け）をいただきたいと感じるシーンがあります。以下にその2つのケースを解説いたします。
トランクに大量に積む買い物をしたとき:
スーパーやショッピングモールで大量の買い物をし、その後タクシーを呼んで自宅へ帰る際、運転手が手伝いとして荷物をトランクに載せたり、自宅まで運んだりすることがあります。特に、お年寄りや障害のある方が多い場合、運転手はお客様の要望に応じて荷物を運ぶことが一般的です。
このような場合、お支払いの際に少額であってもチップをいただけると、運転手はやる気を引き出され、またその行為を仕事の一環としてより積極的に行えます。チップをいただかない場合、口には出さなくても内心では不満が募ることもありますので、できるだけ感謝の気持ちを込めてチップを渡すと喜ばれるでしょう。
シートカバーや車内を汚したとき:
車内で嘔吐や失禁などで車を汚された場合も、降車時にいくらかのチップを渡していただけると、運転手は大変助かります。法人タクシーの場合、車内清掃は運転手自身が行わなければならないことがあります。
他人の汚物を取り扱い、清掃作業を行うのは気が重く、心が折れることもあります。お客様がその苦労を理解していただけると、運転手としては心強い支えとなります。したがって、このような状況では、できるだけ配慮をもってチップを渡すことが望ましいです。
まとめ：お客様からのチップはそのまま手取り収入になる
まとめると、
運転手に荷物を運んでもらいたいときや、車内を著しく汚したときには、少額でもチップをいただきたいのが本音です。
適切な接客態度や丁寧なサービスにより、お客様は運転手に感謝の気持ちを抱くことがあり、数十円の釣銭やささやかな心付けが積み重なります。お互いの思いやりが手取り収入に影響を与えることを考えると、一つ一つの仕事を確実にこなすことが大切です。
これらの細やかな心遣いが、長い目で見れば運転手の信頼を築き、収入源の一翼を担っていくことになるでしょう。お互いに気配りを大切にし、より良い移動体験を共有できるよう心掛けましょう。
