ハヤトウリはあまり一般的ではなく、なかなか見かけない野菜です。この記事では、ハヤトウリについて学びながら、その食べ方についても詳しく説明していきたいと思います。
ハヤトウリとは
ハヤトウリとは一体どのような野菜なのでしょうか。
ハヤトウリ（隼人瓜）は、熱帯アメリカ原産のウリ科スミレ目ハヤトウリ属に属するつる性の植物で、淡緑と白色の品種が存在します。ウリ科に分類されるものの、表面はぼこぼこしており、果実を食用とします。ハヤトウリは大型の種子を1個中央に持ち、外観はアボカドに似ています。
この野菜はさまざまな呼び名があり、日本では「センナリウリ（千成瓜）」、「チャヨテ」、「チョチョ」などと呼ばれています。海外ではアメリカでは「チャヨテ」、フランスでは「クリストフィーネ」、台湾では「佛手瓜」などと呼ばれ、世界中でポピュラーな野菜として親しまれています。
ハヤトウリはもともとメキシコ南部から南米北部にかけての熱帯アメリカが原産で、18世紀から19世紀にかけて世界中に広まりました。日本では1917年に鹿児島に導入され、そのため「隼人の瓜」としてハヤトウリ（隼人瓜）と名付けられました。
主な生産地は日本では鹿児島県や高知県、宮崎県などの暖かい地域が多く、収穫期は晩夏から11月までとなっています。
栄養面では、ハヤトウリには多くの栄養素は含まれていませんが、少量ながらビタミン類やミネラルを含んでいます。水分含有量が非常に高く、カロリーも低いため、ローカロリーでお腹を満たすのに適しています。
ハヤトウリには白色種と緑色種がありますが、栄養素の面では緑色種にわずかにカロテンが含まれる程度で、それ以外はほとんど変わりがないようです。
ハヤトウリは生食できる？
ハヤトウリは生で食べることができる野菜なのでしょうか？その味の特徴について考えてみましょう。
ハヤトウリはウリ科の野菜であり、キュウリやスイカ、カボチャ、ズッキーニなどと同じ科に属します。ウリ科の野菜にはアクが含まれ、生で食べると少し苦みを感じることがあります。この苦みはアクに起因しており、塩を振って摩るなどすることで軽減されます。
一方、加熱調理するとクセがほとんどなく、ハヤトウリ自体の味は無味に近いため、料理の味と食感が主役となります。ウリ科の野菜なので、細切りにすればシャキシャキとした食感が楽しめ、厚みを持たせればコリコリとした食感を味わうことができます。
生で食べる場合、ハヤトウリはほとんど味がないため、基本的には味付けが必要です。ただし、生食や加熱調理のどちらでも食べることができます。生食の場合、サラダなどが一般的であり、火を通さない生食の料理としては、ハヤトウリの漬物が特に有名で美味しいとされています。
ただし、食べ過ぎには注意が必要です。ハヤトウリはウリ科の野菜で、「ククルビタシン」と呼ばれる苦味成分が含まれています。この成分が原因で食中毒症状が起こる可能性があり、嘔吐や下痢などの中毒症状が現れることがあります。食中毒のリスクは低いものの、食べ過ぎには注意が必要です。アク抜きをして適量を摂ることがおすすめです。
ハヤトウリの美味しい食べ方・保存方法
ハヤトウリを安全に食べるための工夫や注意点について考えてみましょう。
ハヤトウリの選び方
・表皮の色が綺麗で傷や変色がないものを選ぶ。シミやシワがあるものは鮮度が低い可能性があるため避ける。
・手に持った時に実が詰まっており、硬く、ずっしりと重みを感じるものを選ぶ。表面に弾力を感じたり、中身が軽いものは傷んでいる可能性がある。
・白色種と緑色種があるが、緑色のものは青臭みがあり、白色種の方が食べやすい。両方が売られている場合は白い方を選ぶ。
触ると手荒れする場合の対処法
ハヤトウリを触ると手荒れの原因になることがあります。その際の対処法は以下の通りです。
・ゴム手袋などで手を保護し、茎が付いていた側を1〜2センチほど切り落とす。
・切った断面同士をくるくるとこすり合わせ、白い泡状のアクが出てくるまで続ける。
・出たアクを水で洗い流し、ピーラーで皮を剥き、ハヤトウリの中のタネを取り除いて水洗いする。
おすすめの食べ方
・煮物や漬物がおすすめ。煮物にすると苦みが抜け、食感がとろとろになり食べやすくなる。
・漬物も定番の食べ方で、浅漬けや味噌漬けなどが美味しい。
保存方法・保存期間
・最適な保存温度は10〜15度前後。低すぎると味が落ちやすいので注意。
・収穫後、新聞紙などで包み、常温暗所で保存すると翌春まで保存可能。
・冷蔵庫や冷凍庫で保存すると長持ちせず、保存温度に注意する。
これらの工夫や注意を守ることで、ハヤトウリを安全かつ美味しく楽しむことができます。
